やっぱり、生命保険は悲惨なギャンブル? Business Media 誠 Weekly Access Top10(2007年5月8日〜5月14日)

» 2007年05月14日 23時59分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 今週最も読まれた記事は「生命保険は悲惨なギャンブル――ヤクザのばくち場は、一番公平!?」でした。

 日本人の保険加入率は9割を超えていますが、商品への関心は低い印象があります。契約前に「定款・約定」や「注意喚起情報」といった詳細を読んでいる人は、どの程度いるのでしょうか。ほとんどの人は、営業マンに勧められるがままに契約したのではないかと思います。そして、保険会社の不払い事件をきっかけに、自分の保険を見直した人も多いのではないでしょうか。

 保険の正体とは「自分が死ぬほうに賭ける」ということ。保険料を支払えば、保険会社という胴元に手数料を抜かれる。つまり賭けに参加しているのだ、という指摘に対し、読者からさまざまな反響がありました。

 保険をギャンブルに例えていることもあり、反対意見も多かったです。例えばnewsingでは、遺族に対する保障は手厚いと記事にはあるが、遺族年金は手薄だ、と指摘する声もありました。さらに「生命保険は税金対策」と題したブログエントリでは、生命保険に加入することによる、税制優遇のメリットを挙げています。「最低限、元本だけでも補償してもらえるなら、税金対策の効果だけでもいい金融商品だと思う」という意見もありました。

 また、単なる賛否に終わっていない意見もありました。「生命保険は悲惨なギャンブルではない」というブログエントリでは「生命保険が悪いとか不要であると説いている訳ではなく、人生を豊かに生きるためのツールである」としています。

 記事にある「死んでしまったほうが勝ちというなんとも悲惨なギャンブル」という刺激的な文に対して、感情的になるのは仕方ないことかもしれません。ただ記事をよく読めば、筆者のメッセージに気づくはずです。生保会社が悪い、商品が分かりにくい……と消費者が批判ばかりするのではなく、きちんと情報を収集し、自分に合った商品を選ぶことが大切なのだ、と結びで説いていましたね。

 これは保険だけに限ったことではありません。「貯蓄から投資」という流れのなかでは、個人が金融知識を高め、納得したうえで金融商品を購入しなければなりません。きちんと業者が商品を説明したにもかかわらず、「知らなかった」では通用しなくなるでしょう。

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