眠りを科学する企業の殿堂といえば、真っ先に思い浮かぶのが「西川産業」である。西川産業の創業年数はなんと441年! 当時の夏の寝室には欠かせない蚊帳からはじまったというのはご存知だろうか。「日本睡眠科学研究所」を擁するほど眠りへの深いこだわりと造詣を持ち、日々進化し続ける最先端の安眠&快眠グッズを、営業戦略室の春日一恵さんにうかがった。 |
「人のからだにとって眠りは、疲れを回復させてストレスを解消することはもとより、成長ホルモンの分泌などさまざまな細胞の働きが活発になる、とても重要な生理現象です。眠りへのこだわりは人それぞれですから、同じ寝具をずっと使い続ける方もいれば、季節や旅行用など用途ごとにいくつも使い分けたり、良い眠りのためには金額に糸目をつけない方もいらっしゃいます」 同社の最高級羽毛布団は231万円! 極寒の大自然、アイスランド地方の海岸線にのみ棲息するアイダーダックの雛鳥が巣立った巣跡から採集される、「羽毛の宝石」と呼ばれる希少価値の高いダウンと、シルク生地ということで、こだわりもここまで極まれり。 |
まあ、こちらはセレブ向けの特殊な逸品であるので、一般ユーザーにはなかなか手が届かないが、「+D style」として要注目なのが、人間工学に基づいたハイテク寝具である。 |
南青山にサロンを構える「ヒーリングサロンYou美」代表・星子順子さんはフェイシャル・マッサージを施す事で脳を動かすトリートメントを行う、日本でも数少ないフェイシャル・リフレクソロジー・セラピストである。 フェイシャル・リフレクソロジーとは、一体どういう施術なのだろうか。 「フェイシャル・リフレクソロジーとは、スペイン在住のリフレクソロジスト“ロネ・ロレン・ロペス”が考案した新しいタイプのセラピーです。日本ではまだあまり知られていないのですが、顔には、足裏と同じように身体の各パーツに対応する564個の神経ポイントがあります。それらツボを的確にマッサージする事で、脳の中枢神経に直接働きかける事ができるんです」 |
|
ソレンセン・ロネ氏の第1期生の愛弟子である星子さんは、564個のツボの効能をすべて熟知しているそう。その中に、眠気を促すツボもあるという。 「不眠の原因は交感神経と副交感神経のバランスの崩れですが、内分泌をつかさどるツボを刺激してあげると脳が信号をキャッチし、両神経のアンバランスを整える指令を出してくれます。具体的には、目尻と耳の真ん中を結んだ線と、頬骨が交わる三蕉(さんしょう)という部分を、人差し指と中指の2本で軽く押さえます。この部分が顔のコリとなっている人は不眠症である確率が高いんです」 |
「また三蕉と対になっているのが、心包系(しんぽうけい)と呼ばれる頭の後ろのツボです。後頭部の中央にある頭蓋骨の出っ張りを指で触って、そのまま下にスライドさせます。仰向けに寝た状態で左右の2本指をあてがい、しばらく目を閉じて血液がぐるぐる巡り始めるのを感じて下さい」 |
三蕉ツボは交感神経と副交感神経のアンバランスを整える事で、身体が眠る準備を整える。さらに心包系ツボを刺激する事で血の巡りを良くし筋肉をほぐす。ふたつのツボを刺激することにより体温が上がり、眠気が襲ってくる仕組みになっている。 「ただし絶対に注意してほしい点があります。後頭部の心包系ツボは途端に血流が良くなるので、押し過ぎると目が回ったり気持ち悪くなったりする可能性があるんです。快適に入眠するためには2、3分程度と覚えておいて下さいね」 デキる男は夜の安定した眠りによってのみ作られる。簡単に出来るツボ押しで、安眠ライフを手に入れよう! |
|
住所:東京都港区南青山5-4-35 青南吉川興産ビル3F (「青山サロン」内) |
企画・構成/似鳥陽子
取材・文/華麗叫子、似鳥陽子