» 誠Style »

“自然”に溶け込むリラクゼーションチェア
日本の美意識を見つめなおす
ネクストマルニプロジェクト

 ネクストマルニプロジェクトとは、広島県の家具メーカー、マルニ木工が推進する産業と文化の融合的な活動のこと。マルニ木工は木材を中心とする家具を生産しており、ホルムアルデヒドを含まない塗料を採用するという健康家具をウリにしている。
 同社はネクストマルニプロジェクトについて「原点に返って、サービスとは何か、家具とは何か、事業とは何かを追求していく」と表現。日本の美意識を見つめなおし、現代技術の継承、革新を発信していくことを提言している。
 2004年から始まった同プロジェクトは、世界的なデザイナーとのコラボを果たしてきた。2004年度には「小イス」、2005年度には「アームチェア」、そして2006年度は「ラウンジチェアとそのためのテーブル」というテーマのもと商品化が実現している。
 2006年度参加デザイナーは、深澤直人氏、植木莞爾氏をはじめとする計7人。+D Styleではその中でもアルベルト・メダ氏、すみいてつ氏デザインの作品をピックアップしたい。

すみいてつ デザイン ラウンジチェア

 インターナショナルデザインコンペティションでグランプリを受賞した作品。今年4月に行われた世界最大の家具見本市「ミラノ・サローネ」でも発表されている。見た目の軽やかさが特徴のこの製品は、シンプルながらも脚とフレームはしっかりと安定した構造。また背と座の考えられた切り込みによりバネ性が生まれ、強度も保たれている。「機能と構造を自然に必然的な成り立ちで組み合わせることを目指した」とすみい氏。見た目こそ派手さはないが、細かいところに気を配ったイスは、座った人に落ち着きと安心感を与える。自然とくつろぐことができるような生活の一部として違和感がない秀逸な製品。

アルベルト・メダ デザイン ラウンジチェア

 目的や意図によって、必要となるイスの傾きを考慮し、でき上がったというこの製品。日本の美意識を追求したデザインは「細部への感心と透明性」を表しているのだという。
 ある位置から次の位置へ自分の体重を使い、変化させることができるなど細かいところに気を遣っている。より快適なチェアに仕上げるため、横木のすべてをクッションでカバーするという心遣いもうれしい。木製の座面はしなるので、より快適な座り心地が味わえる。

アウトドアでも快適なイスを
ラフマ
リラクゼーションチェアR3000

 フランスのアウトドアメーカー。リュックなどを中心にバッグ製品はファッションとしても一目置かれている。日本では同じくフランスのアウトドアメーカー「ミレー」の商品も扱う、ラフマミレー社が販売している。
 ラフマが快適性を追求したこのリラクゼーションチェアは、座るとハンモックに体を預けているような感覚を覚える。肘あてには天然木を使用。触り心地がいい。シート素材はメッシュのため、通気性がよく、夏でも快適に寝そべることができる。背もたれとレッグレストの角度を無段階に調節することができ、使用しないときは、もちろんコンパクトに収納することも可能。ベランダに置いて、お気に入りの本を読んでみたり、星空を眺めてみるなど、日常使いにも適している。

リラクゼーションチェアR3000

このページに関するお問合わせ先

ネクストマルニ

03-3746-3603

http://www.nextmaruni.com/

ラフマショップ原宿

03-5469-3239

http://www.lafuma.jp/

文/+D Style編集部
写真(ネクストマルニプロジェクト)/ 川部米応