ちょっと気合いが入った夜にふさわしい、憧れの街・銀座。そんな銀座に、「サービスの神様」がプロデュースする、コンテンポラリー・キュイジーヌ「DAZZLE」がある。 同店の最大の特徴は、他に類のない店舗デザインである。 エントランスで、まず目に飛び込むのがオープンキッチン。シェフたちの活気に圧倒されながら奥へ進むと、一転してシックなメインバーが現れる。 |
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食前酒で期待感を盛り上げてエレベーターでメインダイニングへ昇ると(このエレベーターにも、ちょっとしたサプライズが!)、高さ9メートルの開放的な空間に広がるスワロフスキーの幻想的なきらめきと、天井までそびえ立つワインセラーに圧倒される。 |
「ストーリー性のある店作りをしたかったんです。自分が行きたいお店を考え、背伸びせずに払える金額で、楽しいと思える“WOW!”なインテリアと雰囲気にしようというのが1つの答えでした。そして、ワインセラーを中心に、誰もが印象に残るようなデザインの店作りをしていこうと考えたんです」(プロデューサー兼HUGE代表取締役・新川義弘さん) |
新川義弘さんは、2002年の日米首脳会議の際に、米ブッシュ大統領と小泉首相を接客したことにより「サービスの神様」と呼ばれるようになった、骨の髄からのサービスマンだ。自身のサービス論を凝縮した『愛されるサービス』(かんき出版)の著者でもある新川さんが考える、“感動”を与えるホスピタリティとは。 「人はどういうことに感動するんだろう?と考えていきますと、実は日常のさりげないことなんですね。たとえばバースデーソングを歌うなどのサプライズも楽しいのですが、むしろ、ちょっとした仕草やアイコンタクト、一言などによって、『ここってこれがいいのよね』って思っていただけるほうが大切だと思っています」 “感動を下支えするのはオペレーション力“と、新川さんは続ける。 |
「きちんとした料理が適正な温度で出てくるとか、顔を上げた時にドンピシャのタイミングでワインを注いでくれるとか、『そろそろ会計してほしい』と思った時に伝票がすっと出てくるとか、こういうことの方が、サプライズ的な要素よりも何倍も大切だと考えてサービスを作ってきています」 地道なサービスの積み重ねが感動につながるという新川さんのモットーは、従業員同士でのロールプレイングの実施や、スカート着用の女性客のことを考えた長方形のテーブルナプキンなど、そこかしこに生きている。 「現時点でのDAZZLEのサービスレベルは、僕の求める到達点にはまだまだだと思うんですけど、お客様がお感じになっていることの中で、他のレストランよりもいいと思っているのは、“嫌な思いをするのが少ない”ということですね。それが、小さなことの積み重ねで『あのお店っていいよね』という評価になり、もっと言うと“感動”というレベルまでいくのかもしれません」 もちろん、「DAZZLE」の人気の要素は、高いHQ(ホスピタリティ・クオリティ)だけではない。そこかしこにたゆたう“上品なエロス” に、エスコートした女性のテンションが上がり、うっとりと感動すること間違いない。 |
東京都中央区銀座2-4-12 MIKIMOTO Ginza 2 8・9F |
取材・文/華麗叫子
構成/似鳥陽子