オープンしてまだ2カ月弱。骨董通りから1本入ったミニストップ地下と見つけにくい場所にあるにも関わらず、すでに焼肉通の間で噂になっている焼肉店がある。 南青山「よろにく」。本物のA5牛肉しか使わないという店主のこだわりは、その修行先から始まる。納得できる焼肉を求めて西に東に奔走した結果たどり着いたのが篠崎の「焼肉ジャンボ」だそうで、頼み込んでジャンボで修行後、新規独立した期待のルーキーである。 |
タレはジャンボから仕入れているが、肉自体の旨みが抜きん出ているため、ちょっとつけるだけでいい。肉はジャンボと異なるものの、直営のすき焼き割烹店をも持つ日本橋の名店「日山」から仕入れている。 |
さて、キムチとナムルで食欲を軽く刺激し分厚く切られた上タンでスタートを切れば、めくるめく“肉い”夜を予感するはずである。カルビ、ランボソ、ミスジなどの赤肉は薄くスライスしてあり、きれいに入り込んだサシがそのまま極上の肉汁へと姿を変える。口に含んだ途端のどを流れ落ちるその肉汁の甘美たるや、狂おしいほどである。柚子胡椒でロースを小粋に味わったら、深川めしをビビンバにした深川石焼きビビンバへ。ほうじ茶のかき氷、白くまかき氷、胡桃とハチミツのアイスクリームなどデザートも目先の変わったものが揃っており、スイーツ好きな女性に喜ばれること必至だ。 |
絶妙なタイミングで少ポーションずつ供される豊かな美味の数々。新たなる焼肉伝説を体感しに行こう! |
東京都港区南青山6-6-22 ルナロッサB1F |
マルイシティ新宿 City1に今年2月にオープンした「いのこ家」は、リーズナブルなお値段でブタミンパワーをチャージできる豚料理専門店である。 使用している豚肉は、北海道の直営農場で飼育した、自社ブランドのSPF豚「いのこ家Well-Pork」。キメ細かく柔らかい肉質が自慢である。豚のヒレ部分をワインでひたひたと煮込み、握り寿司にした豚ヒレのワイン蒸し寿司、豚肉の薄いスライスを縦に巻き、香り高く揚げたトルネードとんかつを頂いた後は、ぜひ名物の蒸し豚しゃぶを堪能していただきたい。 |
せいろに野菜を盛り入れ、しゃぶしゃぶ用の薄い豚肉を並べ、柔らかな湯気で蒸し上げる。すると豚肉から流れ出た黄金の肉汁はそのまま下の蒸し野菜に吸収される仕組みになっている。蓋を開けた途端、優しい味わいを想像させる湯気が放たれ、お隣の女性は必ずや幸せな気持ちになるはず。素材そのものの旨みを逃さない、蒸すという調理法は、油を使わない究極のダイエット食である事もお忘れなく! |
東京都新宿区新宿3-1-26 マルイシティ新宿City-1 8F |
取材・文 / 華麗叫子
企画・構成/似鳥陽子