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日本屈指の高級時計店が語る「G-SHOCKの魅力」
取り扱いブランド数は約120――日本屈指の高級時計店

 香川県下に4店舗を構え、本店だけで年商20数億円を稼ぎ出す日本屈指の高級時計店「アイアイ イスズ」。取り扱いブランド数は約120、在庫は2000本以上というその規模と充実した品揃えは、東京でもちょっとお目にかかれない。ロレックス、カルティエ、オメガといたおなじみの高級ブランドのほか、A.ランゲ&ゾーネ、フランク・ミュラー、ロジェ・デュブイ、IWCなど、人気高級時計が整然と並ぶ様はまさに圧巻だ。

 「四国エリアではまだ機械式高級時計なんて誰も知らないし、注目もしていなかった時代に、自分が好きだったこともあってこの地で少しずつ取り扱いを始めたんです。各ブランドの公認正規販売店契約も、四国なら誰もやっていないのですぐOKだったんですよ。そういうのが積み重なって、今のブランド数につながっているんです」と飯間康行社長は語る。

 時計に対する飯間社長の先見性も確かだった。フランク・ミュラーは10年前、ロジェ・デュブイも7年前と、日本でブランドがブレイクする前にいち早く手がけている。

 「時計好きのスタッフが集まっており、自分たちが選んだものをオススメする。高級機械式時計の正規セレクトショップ、という感覚です」

アイアイ イスズ
G-SHOCKコンセプトショップ「EDGE」
EDGE
EDGE店内

 そんなアイアイ イスズが、同社のアンテナショップとして展開する高松サンポート店に、G-SHOCKのコンセプトショップ「EDGE」を7月7日オープンした。

 店内は有名彫刻家による鋳物製の「MR-Gオブジェ」をはじめ、メタルを基調とした重厚感のある落ち着いた空間を演出。その中で100本以上のG-SHOCKが、機械式高級時計と同様にショーケースに美しく陳列されている。

 そのほかファーストモデル「DW-5000」のヒストリカルモデルやMR-Gの落下試験モデルなども展示されているほか、G-SHOCKのテクノロジーの全てを網羅した「ブランドブック」などもチェックできるなど、G-SHOCKファンにとっては垂涎のショップに仕上がっている。

G-SHOCKは実用時計カテゴリーでナンバーワン

 実はアイアイ イスズでは、10年ほど前まではG-SHOCKを扱っていたものの、ここ数年はしばらく扱いをやめていたという。スイス製高級機械式時計の中では、日本メーカーの時計は浮いてしまっていたからだ。

 「だが、高級機械式時計を愛用する人たちも、G-SHOCKは絶対持っており、海に行くときやスポーツ時などに使うなど生活の中に根ざしていた。お客様からも、G-SHOCKはないの? というハナシは多かった。何よりも、自分が欲しくなったんです(笑)。実用的な時計としてG-SHOCKはナンバーワン」

 カテゴリーナンバーワンの時計は、自分の店で扱うべきという持論から、本店で昨年からG-SHOCKの扱いを開始した。

 ただ、ロジェだフランクだランゲだといった超高級時計を扱う日本屈指の専門店が、G-SHOCKを扱うことに「なぜ?」と疑問を投げかける向きも少なくなかったという。

飯間社長

 「あるメディアからそんな質問をされた時、こういったのです。『イチバンいい時計って何? 砂漠を横断しなければいけないとき、ロレックスだカルティエだという高級時計が並ぶ中にG-SHOCKがあって、どれかひとつ時計を持っていけるとしたら、全員がG-SHOCKを持っていくでしょ』とね(笑)」

 そのハナシがメディアに載って、カシオのG-SHOCK関係者たちがアイアイ イスズを訪れるようになり、徐々に交流を深めていったという。

EDGE店内

 「G-SHOCK開発者の言葉に、熱い思いを感じた。G-SHOCKが好きなんでしょうね。話していてわかる。ああ、愛しているんだなあと。G-SHOCKの開発の人は本当に思い入れが強い。この商売を長いことやっていますが、そこまで思い入れが強いのはスイス本国の機械式時計のファクトリーの職人ぐらい。そういった職人的な部分に共感を覚えました」

 左手に白い手袋をして、専門の時計コンシェルジュが薦める。飯間社長が「もし私がG-SHOCK開発者であれば、こういう風に売りたいですよね」という思いを具現化したのが今回のG-SHOCKコンセプトショップ「EDGE」なのだ。

 「G-SHOCKはモノに力がある。EDGEというショップができたので、カシオの開発者にはこだわったものをどんどん作っていって欲しい。ただし、こんな製品を作ってくださいとは提案しません。我々もG-SHOCKが好きなイチ消費者。私が欲しくなるようなG-SHOCKを作ってください」

飯間社長のイチバン好きなG-SHOCKはどれですか?
「G-SHOCKはやはりデジタルでしょ」と言って掲げた左手に光っていたのは、ブラックメタルにブルーのアクセントが印象的な「GW-700BDJ-2JF」。限定モデルでもレアモデルでもない、普通に街で買えるG-SHOCKだ(3万3600円と決して高価でもない)。   「これって機械式時計に負けてないと思うんです。ラフな格好にピッタリで、パネライを着けているのと同じ感覚でシーンに溶け込む。オーデマ・ピゲ(AP)の招待で先日行ったアメリカズカップにもこれをしていったところ、APのオフショアを着けていたスイス人たちが『これは何という時計だ?』と興味を示していましたよ(笑)」 飯間社長

取材・文/+D Style編集部

取材協力/アイアイ イスズ http://www.eye-eye-isuzu.co.jp/