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新型スカイライン × 近未来型HDDナビ


新型ナビゲーション

 日産自動車が、高速・大容量のHDD方式を採用した新型ナビゲーションを発売すると発表した。この新型ナビは、今秋(11月)発売予定の新型「スカイライン」に採用され、同時に特集01で紹介したカーウイングスの新世代サービスもスタートする。

 新型ナビは高速/大容量の30GバイトのHDDを搭載し、最大3000曲の音楽CDを録音できるほか、「明るい曲」「いやされる曲」などフィーリングに応じた自動選曲をはじめとする様々な選曲方法で再生可能なミュージックボックスを搭載した。また、タッチパネル対応の高精細WVGA液晶モニターを採用し、詳細で見やすい地図を実現したほか、リアル3D交差点案内機能では3Dグラフィックスで実際の街並みを表現。そのほか高速地図データ更新システムや、地上波デジタルTV対応(1セグ/12セグ ※地上波デジタルTVチューナーはディーラーオプションにて別売り)、多様なメディアに対応した音楽再生機能などが機能面での主な特徴となっている。

沿線情報自動ガイダンス

 ……と、盛りだくさんではあるものの、個々の機能は1〜2年前から市販の高機能カーナビで実現していたもの。今回注目したいのは、日産ならではのカーウイングスを生かした機能「沿線情報自動ガイダンス」だ。

沿線情報自動ガイダンスを世界で初めて実用化

 「右手をご覧下さい。これがあの有名な行列のできる○○ラーメンです」――。こんな“はとバスのガイドさん”のような「街角案内」を実現してくれるのが、新型HDDナビの新機能「沿線情報自動ガイダンス」だ。

 クルマを始動した時やカーナビのルート設定などのタイミングで、POI(Point of Interests: 関心地点=施設情報)を100件ほどまとめてカーウイングス情報センターからダウンロード。その後はクルマの位置情報に合わせて、ダウンロードしたデータから情報を選び出し、ドライブ中のTPOに合わせてショップなどの施設情報やタウン情報などを自動でドライバーに情報提供するという仕組みになっている。ニュースや天気、イベント情報など、施設以外の情報も提供。もちろんカーウイングスならではの、音声による読み上げ機能にも対応している。

沿線情報自動ガイダンス

発想の原点は2003年のコンセプトカー「セレニティ」
セレニティー

 この沿線情報自動ガイダンスの発想の原点になっているのが、2003年のモーターショーで日産が出展したコンセプトカー「セレニティー」に搭載されていた「シティブラウズ機能」だ。

 次世代マルチパーパスサルーンをコンセプトとし、快適さの追求をテーマにしたセレニティには「ホリゾンタルメーター」と名づけられた横長の情報ディスプレイが搭載されており、速度・オーディオ・空調などのドライビング情報に加えて、カーウイングスからダウンロードした情報やアラウンドビューカメラ映像など、乗員それぞれが移動中に必要とする情報が最適な位置とタイミングで表示されるようになっている。

 “街の情報をキャッチしながら走る”というコンセプトに基づかれたシティブラウズ機能では、通り沿いのショップなどから送られてくるライブな情報が、ホリゾンタルメーター上に音と矢印で現れ、車両の移動に伴ってドライバーから見た実際のランドマークを追従するように表示される。クルマに乗っている人は、これら文字情報や音声情報を、まるで字幕付きの映画を見ているような感覚で、安全かつ楽しく、自然に受け取ることができるという仕組みだ。このようなコンセプトモデルは、展示会では当たり前だが、それをしっかり着実に実現してくるところは「さすが日産」といえるだろう。

新型スカイラインも注目

 もちろん、主役の新型スカイラインも注目だ。すでに今年4月のニューヨーク国際オートショーで、次期「インフィニティ G35」としてお披露目されている。

 エンジンは300馬力オーバーの次世代3.5リッターV6エンジンを搭載。新世代スカイラインを象徴するボリューム感あふれるボディに、日本刀をイメージしたというフロントグリルやL字型のHIDヘッドランプが印象的だ。4750(全長)×1773(全幅)×1453(全高)ミリでホイールベースは2850ミリ。日本での価格などはまだ未定。11月の発表が待ち遠しい1台だ。

インフィニティ G35

関連リンク

カーウイングス  http://www.nissan-carwings.com/
日産自動車    http://www.nissan.co.jp/

取材・文/+D Style編集部

取材協力/日産自動車