「2008年、コルムは生まれ変わった」――高級腕時計ブランド「コルム」のアントニオ・カルチェCEOが来日し、2008年の新作コレクションの紹介とブランドの新戦略をプレゼンテーションした。4つのブランドカテゴリーによって再構築したラインアップで、日本のラグジュアリーウォッチ市場に“再上陸”する。
1955年、スイスのラ・ショー・ド・フォンで設立された高級腕時計ブランド「コルム」。スイスのウォッチメーカーとしては比較的後発であるが、独立した家族経営の中で個性的なモデルを数多く生みだしてきた。21世紀を迎えた2001年、新オーナーにサヴァリン・ワンダーマン氏が就任。2007年には同氏のラブコールによってコラムに招かれていたカルチェ氏が、CEOとしてさらなるリーダーシップを発揮することとなった。日本での展開においては、これまで同ブランドを取り扱ってきた第一昭和に替わり、輸入代理店大手の日本シイベルヘグナーが販売網の構築に乗りだしている。
カルチェ氏は1994年にリシュモングループのピアジェ技術部門に入社。2000年にはパネライのCEOに就任し、ブランド戦略の手腕を磨いてきた。同氏の指揮により、コレクションは“4つの柱”と表現される、「アドミラルズカップ」「ロムルス」「ゴールデンブリッジ」「スペシャルティーズ」にカテゴライズされ、高価格・高品質なプレステージブランドとしての色合いが強められている。
1960年に登場したスポーティーモデル。名門ヨットレースの名を冠するこのシリーズは、12角形の文字盤に12の国際海洋信号旗が描かれているのが特徴。裏蓋にはレースのトロフィーが彫られている。
ローマ建国の王と言い伝えられるロムルスに由来したこのコレクションは、1966年に発表された。スイスの伝統的な時計製作技術を体現するクラシカルなコレクションとして展開する。
1980年に発表された個性的なコレクション「ゴールデンブリッジ」。1つの線上にムーブメントの部品が配置され、サファイアクリスタル風防からその動きを眺めることができる。
同社のクラフトマンシップを集結したコレクション。貴金属や、高度な彫刻、時計製作技術を駆使した極上のモデルがラインアップされる。
日本市場をアジア有数のラグジュアリーウォッチ市場と捉え、「多くの目の肥えたコレクターがいる」と語るカルチェ氏。1980年代後半から1990年代にかけて、日本はコルムの販売において多くの割合を占める市場だったという。「1998年、コルムにとって日本はNo.1の市場だった。10年前のポジションを取り戻すために、コルムを再び輝かせるための手段を投じていく」(カルチェ氏)
今後も「一匹オオカミ的な戦略」の下、ニッチブランドならではの個性的なコレクションを展開していくと語るカルチェ氏。「2009年は、コルムのコンセプトがさらに明らかになる年」と語り、完全自社生産のムーブメントの採用などによって、さらなる独立性を確保していくと主張した。
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