5分で分かる、今週のモバイル事情2月3日〜2月9日

» 2007年02月09日 22時46分 公開
[遠藤学,ITmedia]

ソフトバンク孫社長「携帯はもうかるビジネス」

 ソフトバンクの2006年4〜12月期決算説明会が行われた(2月8日の記事参照)。

 グループ全体の売上高は前年同期比約2.2倍の1兆8223億円、営業利益は1972億円、経常利益は1116億円(前年同期は22億円の営業損失)、純利益は同23.1%増の219億円。このうち携帯事業の売上高は1兆147億円、営業利益は1135億円と、それぞれ全体の半分以上を稼ぎ出した。

 月額基本使用料980円の「ホワイトプラン」は1月16日の開始から約3週間で計105万加入(新規ユーザー:21万件、既存ユーザーの買い換え・プラン乗り換え:84万件)あったといい、1月の純増数は16万4000契約を記録(2月7日の記事参照)。同月の純増シェアは43%と、ボーダフォン、Jフォン時代を含めても過去最高値となった。

 説明会の席上、ソフトバンクの孫正義社長は「携帯はもうかるビジネスだと感じていたが、順調に利益に貢献している」と話し、「MNP前は『ソフトバンクは草刈り場になる』とも言われていたが、順調に伸びた」と胸を張った。

au解約ユーザー22万人超の個人情報が紛失

 KDDIの小山テクニカルセンター内で、au解約ユーザー22万人超の個人情報を記録した光磁気ディスクが紛失したことが明らかになった(2月8日の記事参照)。

 auを解約したユーザーの顧客情報の一部をバックアップしていた際に紛失したと見られ、紛失したディスクには、名前や住所、生年月日、解約時点の携帯電話番号、連絡先電話番号、管理用コードを含む、1月15日時点のau解約ユーザー22万4183名分の個人情報が記録されていたという。KDDIは、クレジットカード情報や銀行口座情報、通信記録は含まれていないとしている。

 ディスクの行方については「調査の結果、小山センター内から廃棄業者に引き取られ、溶解/粉砕処分された可能性が極めて高いと判断している」とし、当該顧客に紛失したことを通知する予定はないとした。このため、該当するかの確認は同社に問い合わせる必要がある。

ケータイ用燃料電池、1〜2年以内に商用化?

 2月7日に開催されたFC EXPO 2007で、NTTドコモ 取締役常務執行役員 研究開発本部長の歌野孝法氏が、ケータイ用燃料電池に関する基調講演を行った(2月7日の記事参照)。

 数年前から試作化・業務向けなどに製品化されていた燃料電池。ドコモは、第二世代のリチウムイオン電池を積極的に適用する“緊急的”な対応に加え、マイクロ燃料電池の適用を“長期的”な対応として取り組む考えを示しており、携帯用に採用する燃料電池として、水素を燃料に用いる固体高分子形(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)とメタノール水溶液を用いるダイレクトメタノール方式(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)を主に検討。メーカーと共同で開発を行っている(2006年7月の記事参照)。

 歌野氏は「1、2年以内に外付けのクレードル・充電器型の燃料電池が商用化されるだろう」と開発が順調に進んでいることを示すとともに、将来的に端末内に燃料カプセルと反応セルを含める完全内蔵型の実現を目指すとした。

 なおKDDIも、東芝および日立製作所が試作したパッシブタイプのDMFC(Direct Methanol Fuel Cell:直接メタノール型燃料電池)を内蔵する携帯をCEATEC JAPAN 2005に出展するなど、燃料電池の開発に取り組んでいる(2005年10月の記事参照)。

アッカ・ネットワークス、NET&COM 2007でモバイルWiMAXをデモ

 アッカ・ネットワークスが「NET&COM 2007」にブースを出展し、モバイルWiMAX実証実験の模様や基地局設備、アンテナなどを展示した(2月7日の記事参照)。

 ブースにはWiMAX体験コーナーを用意。会場内に設置した小さなアンテナから実際に電波を発射し、WiMAX対応PCカードを装着したノートPCで、映像ストリーミングやVoIP、無線LANとのシームレスハンドオーバーなどのデモを通して、WiMAXのパフォーマンスが体感できた。

 アッカ・ネットワークスは、総務省から無線免許が取得できた場合、既存のキャリアとは異なり、地方からのエリア展開を目指すとしており、都市部や郊外都市では、ある程度面的展開の準備が整ってからサービスが開始される。これには、中途半端なエリアカバー率でサービスを始めて、「つながりにくい」「使いにくい」といったイメージがついてしまうのを避けたいという思いがあるという。

タッチスクリーン式携帯や薄さ9.4ミリのウォークマン携帯が発表

 韓国Samsungがタッチスクリーン式携帯「Ultra Smart F700」(2月9日の記事参照)を、Sony Ericssonがウォークマン携帯の新機種「W880」(中国市場向けはW888)と「W610」を発表した(2月7日の記事参照)。

 Ultra Smart F700は、各種操作が画面上で行えるフルタッチスクリーンを搭載。液晶パネルをスライドすればQWERTYキーパッドも利用できる。HSDPA方式(7.2Mbps)とEDGE方式に対応し、500万画素カメラを備えるほか、MP3形式の音楽や動画が楽しめる。サイズは104ミリ×50ミリ×16.4ミリ。

 ちなみに日本国内では、タッチスクリーン搭載の2画面ケータイ「D800iDS」が2月9日に発売した(2月9日の記事参照)。

 厚さ9.4ミリを誇るW880は、1Gバイトのメモリースティックマイクロを採用しており、約900曲を保存できるのが特徴。200万画素のカメラも装備しており、通信方式はUMTS(2100MHz)とGPRS 900/1800/1900に対応する。W888はGSM携帯で中国市場向け。販売開始は2007年第1四半期を予定している。

 W610は512Mバイトのメモリースティックマイクロを採用したウォークマン携帯で、同じく200万画素のカメラ付き。販売開始は第2四半期の予定。

 このほかSony Ericssonは、スライドショー機能も利用できるカメラ付き携帯「K220」「K200」と、FMラジオ付き携帯「J120」、使いやすさが特徴のベーシックな携帯「J110」といった、より安価な「キャンディーバー型」携帯4機種も発表。販売開始は第2四半期を予定している。

ドコモの2007年冬モデルは全機種ワンセグ、HSDPAに対応

 NTTドコモは、今秋から発売する2007年冬モデルの機能を大幅に強化することを明らかにした(2月8日の記事参照)。

 具体的には、携帯向け地上デジタル放送のワンセグ機能、最大で毎秒3.6Mbpsの高速パケット通信が可能なFOMAハイスピード、海外でもそのまま携帯を使うことができる国際ローミング機能の3つを全機種に標準搭載するという。

ソフトバンクのおサイフケータイに「QUICPay+Edy」がプリイン

 おサイフケータイで利用できるクレジットサービス「QUICPay」(2006年2月の記事参照)用アプリが、ソフトバンクモバイルのおサイフケータイ(S!FeliCa対応機種)にプリインストールされる(2月9日の記事参照)。2007年春モデル以降のおサイフケータイが対象。

 現在、ソフトバンクモバイルのおサイフケータイは電子マネー「Edy」をプリインストールしており、春モデル以降はEdyとQUICPayの両方がプリインストールされることになる。

 なおドコモは903iシリーズ、auは2006年秋モデルからEdyをプリインストールをしておらず(2006年9月の記事参照)、おサイフケータイに対応するアプリはそれぞれ「DCMX(iD)」と「QUICPay」のみとなっている。

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