auおサイフケータイ向けサービス「auケータイクーポン」ってどんなもの?

» 2007年01月18日 15時36分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 au春モデルのうち、おサイフケータイに搭載された新機能「auケータイクーポン」。どのような機能なのか、またドコモが提供する類似機能「トルカ」とどこが違うのかを見ていこう。トルカについての詳細は別記事を参照してほしい(記事1記事2)。

auケータイクーポンとはどんなサービス?

 2005年秋からおサイフケータイを展開しているau。2007年春モデルではほとんどの機種で新バージョンのFeliCaチップ※を採用しており、新チップを搭載した機種ではauケータイクーポンを採用している。新チップを搭載し、auケータイクーポンに対応している機種は、 「MEDIA SKIN」「W52T」「W51CA」「W51K」「W51H」「W51S」「W51SA」の7機種。なお、「W51P」は初期バージョンのFeliCaチップを採用しており、auケータイクーポンには対応していない。

新バージョンのFeliCaチップは、ドコモがFOMA 903iシリーズ全機種や703iシリーズの一部機種で採用しているのと同じもの(2006年10月の記事参照)。メモリが増えており、ユーザーにとってはインストールできるFeliCa対応アプリの数が増えるというメリットがある。

 auケータイ“クーポン”という名称からも分かるように、紙のクーポンやチラシを携帯で受け取れるようにしたものと考えるとイメージしやすいだろう。店舗やサービス事業者が、例えば「おにぎりが10%オフ」「新店舗が○月×日にオープン」といった情報をユーザーに配布する、といった使い方を想定したサービスになっている。ドコモが提供するトルカのau版といえる。

 auケータイクーポンに対応した端末を、店頭の対応リーダー/ライターにかざすと、携帯の中に自動的にクーポンが入ってくる。クーポン配布機能に特化した専用のリーダー/ライターだけでなく、例えばQUICPayやEdyなどで買い物をした場合でも、リーダー/ライターがauケータイクーポンに対応していれば、お金を支払うのと同時にクーポンを取得できる。

 取得したクーポンは情報量の少ないシンプルなものだが、「内容取得」とあるソフトキーを押すと対応Webサイトに接続し、クーポンそのものが自動的により詳しい内容のクーポンに書き換わる。書き換わった詳細な内容のクーポンには、店舗側が有効期限を設定できる。

 取得したクーポンは「データフォルダ」→「フォトフォルダ」→「クーポンフォルダ」の中に保存される。クーポンの内容や有効期限は、いつでもここで確認可能だ。また、取得した本人がクーポンを利用できるだけでなく、メールや赤外線、外部メモリを利用して、他のauケータイクーポン対応機種にクーポンを送ることもできる。

auケータイクーポンの利用イメージ

auケータイクーポン非対応機種の場合は?

 auケータイクーポンに対応していない機種を、auケータイクーポン対応のリーダー/ライターにかざすとどうなるのだろうか。

 FeliCaのリーダー/ライターには、データをFeliCaチップに送り、そこから携帯に働きかける(アプリを起動するなど)「三者間通信」という機能(2005年11月の記事参照)を持っているものが多く、auケータイクーポンやトルカはこの機能を利用している。auケータイクーポンであれトルカであれ、リーダー/ライターが送るデータ形式に携帯が対応していれば受け取れる、ということになる。

 auケータイクーポン対応のリーダー/ライターに、ケータイクーポンに対応していないauのおサイフケータイをかざした場合は、EZWebブラウザが自動的に起動し、リーダー/ライターが指定したURLに簡単にアクセスできる。アクセス先は詳細なクーポン情報が書かれたサイトになるので、ユーザーはその画面を「画面メモ」として保存することにより、auケータイクーポンと同等のクーポンとして利用できる。ただしこの場合は画面メモなので、他のユーザーに送ることはできない。

 なお、auケータイクーポンに対応していないトルカ対応リーダー/ライターに、auのおサイフケータイをかざした場合にも同じことができる。例えばタワーレコードの渋谷店に設置されているトルカ対応リーダー/ライター(2006年12月の記事参照)にauのおサイフケータイをかざした場合は、トルカの詳細クーポンのデータが置かれたWebサイトに接続する。このとき表示された画面を保存しておけば、ドコモのおサイフケータイにのみ対応のリーダー/ライターにかざした場合でも、auのおサイフケータイでクーポンを利用できることになる。

トルカとauケータイクーポンの違い

 簡易クーポンから詳細クーポンに書き換わる、クーポンを人に送れるなど、ユーザーから見るとほとんど同じ機能に見えるauケータイクーポンとトルカ。両者はどこが違うのだろうか。

 まず、トルカのデータとauケータイクーポンのデータは同じではない。サービスを提供する企業は、1つのデータをトルカでもauケータイクーポンでも受け取れるように設定しておく必要がある。

 ユーザーから見た場合には、両者の違いは「保存場所」「回数制限の有無」程度しかない。auケータイクーポンは上述のようにデータフォルダの中にあるクーポンフォルダに保存されるが、トルカはトルカ専用のデータ保存領域に保存される。

 なお、auケータイクーポンには期限設定はできるが、利用可能回数は設定できない。有効期間内であれば、同じクーポンを何回でも利用できることになる。トルカは発表時には期限も回数も設定できなかったが、903i/703iシリーズ以降は仕様が拡張され、有効期限と利用可能回数の両方を設定できるようになっている(2006年10月の記事参照)

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