携帯決済サービスで2011年には360億ドルを決済――調査会社予測

» 2006年10月06日 12時08分 公開
[ITmedia]

 調査会社Strategy Analyticsが10月4日、携帯電話による決済サービス市場予測を発表した。携帯電話を使った非接触決済が拡大する条件が世界的に整い、2011年には、360億ドルの決済に利用されるようになると予測している。

 報告では、携帯電話を利用した決済市場はまだ世界的に見て「取るに足らない」規模としながらも、ここ数年の「唯一の見どころ」として日本のFeliCaサービスを紹介。サービス体制や企業連合などの条件がうまく整えば、サービスが急拡大し得るモデルケースだとし、2006年中には9億ドル相当の決済がFeliCaで行われるだろうと予測している。

 欧米でも多くの試験運用が計画されており、携帯電話を利用した決済市場は勢いづいている、という。米MotorolaやフィンランドNokia、韓国Samsungなどの大手携帯機器メーカーが、近距離無線通信規格「Near Field Communication」(NFC)に対応した携帯電話の導入を検討し、American ExpressやMasterCard、VISAなどのクレジットカード会社もインフラの整備を始めるなどの動きが見られる。

 しかし報告では、セキュリティへの懸念も含め、消費者に決済方法を変えさせるのは難しい、と見ている。非接触カード決済など、ほかの決済方法との競合もあり、実際に携帯電話での決済サービスが開始しても、市場拡大の勢いを得るには時間がかかるだろうとしている。

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