全国平均よりもドコモのシェアが高い九州地域。こういった“ドコモの砦”の攻略は、MNPでシェア拡大を狙うauにとって重要なミッションとなっている。
この秋、いよいよMNPは本番を迎える。auが九州地域でどのように取り組んでいくのか、前編に引き続き、KDDI au九州支社長の東尾重信氏に聞いていく。
キャリアが用意する様々なコンテンツ・サービスには、地域的な受容性の違いが現れる。インタビュー前編で、九州地域で「EZ助手席ナビ」が期待できるという発言があったが(8月21日の記事参照)、一方で、au全体として取り組む音楽や、秋商戦に向けて話題のワンセグなどの訴求力はどうだろうか。
「まずワンセグですが、7月に福岡地域で民放まで見られるようになりましたが、九州全体では(民放までの視聴は)まだです。ワンセグは都市圏のようにどこでも受信できる環境ならばよいのですが、いま九州地区で(ワンセグを)訴求してしまうと、お客様を落胆させてしまうことになる。訴求力になるには少し時間がかかると考えています」(東尾氏)
au九州支社ではワンセグ受信環境の整備が追いついていない状況に配慮し、店頭での訴求は博多地区にとどめ、TVCMの内容も全国展開されているものとは異なる“ワンセグ抜き”にしているという。
その一方で、今au九州支社が訴求に力を入れているのが、LISMO(1月19日の記事参照)である。
「LISMOのサービスは私自身、すごく使いやすいものだと感じているのですが、その良さを(店頭で)お客様に伝えきるのが難しいとも感じています。今は『LISMO=着うたフルをPCで取り込める』としか受け取られていない状況で、これはもったいない。写真やスケジュールの管理など、豊富な機能1つ1つを知っていただかなければならないと考えています」(東尾氏)
LISMOの認知度向上のため、現在は東尾氏自身も率先して、販売代理店にサービスの紹介と啓蒙をしている。
「代理店さんの中には、LISMOで携帯電話の写真をPCにバックアップすることで、簡単に(PCで)デジタルプリントできる部分に注目する方もいらっしゃいます。LISMOは音楽先行でイメージが作られていて、それは正しいことなのですけど、もっと幅広いお客様に訴求していきたい」(東尾氏)
本誌読者ならご存じの通り、九州はおサイフケータイ関連のサービスが充実している地域の1つである。交通系では、長崎バス協会の「モバイル長崎スマートカード」(2005年12月12日の記事参照)や西日本高速道路の「SA・PAにおけるFeliCa決済導入実験」があり(4月3日の記事参照)、ハウステンボスやシーガイアなど全日空とコラボレートしたEdyの導入も進んでいる(2005年12月28日の記事参照)。また、FeliCa電子錠システムの草分けであるkesakaシステムの本社や導入マンションがあるのも九州だ(2005年7月20日の記事参照)。
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