7月14日から17日まで台北・Taipei World Trade Centerで開催された「Taipei Telecom 2006」。台湾ではGSMサービスを提供する事業者が2005年中に相次いでW-CDMAを開始したこともあり、今年の展示はW-CDMA関連サービス一色。また開始目前のHSDPAも参考展示が行われていた。
中華電信は発売されたばかりの最新機種、「Dopod CHT9000」を利用したビジネスマン向けサービス「3G mProビジネスサービス」を展示していた。
Dopod CHT9000は台湾HTC製のW-CDMA/GSMに対応したWindows Mobile5搭載のスマートフォン。日本でもドコモが同種の端末を展開予定だ。サイズは112.5×58×22ミリで、左側面にスライド式のQWERTYキーボードを備えている。ディスプレイは2.8インチのQVGA液晶。外部接続はIEEE 802.11b/g対応の無線LAN、Bluetoothに対応している。Microsoft Exchange Serverと連携したプッシュメールやスケジュールの同期、Microsoft Word、Microsoft Excel、PDFファイルなどの閲覧も可能だ。
Dopod CHT9000を利用する中華電信の3G mProビジネスサービスは、プッシュメール、RSSによるビジネスニュースの配信、金融情報やカスタマーセンターへの簡易アクセス機能を提供。またサービス画面からは、直接電話帳や予定表にアクセスできる。ターゲットはビジネスユーザーで、950ニュー台湾ドル/月(約3400円)で同サービスのパケット通信を定額で利用できる。なお9月30日までサービス開始キャンペーンとして、Dopod CHT9000を優待価格で販売。24カ月契約が必要で、価格は契約プランにより1万2300ニュー台湾ドル(約4万3600円)から1万9600ニュー台湾ドル(約6万9500円)までの間となる。
WAPサービス「Play」と旧KG Telecomから引き継ぐ「iモード」の2種類のコンテンツサービスを展開しているFarEasTone。Play対応端末は、Nokia、シャープ、東芝など展示されている端末ほぼすべてがW-CDMA対応機種となっていた。iモードは、今年下半期から6機種の新モデルを投入予定だといい、これまでネックだった端末バリエーションの少なさを一気に挽回する。
新iモード端末の注目は、SonyEricssonの「K610im」。同社のWAP対応機「K610i」をiモード対応にしたもので、各国の海外iモード事業者からも発売される予定だ。シンプルなストレート型のW-CDMA/GSM対応端末で、200万画素カメラ、Bluetooth、Memory Stick Microスロットを備えている。3G対応の海外iモード端末が少なかったことと、SonyEricsson初の対応機ということから、来訪者の注目度も高かったようだ。ほかにも、2.5G対応の超薄型端末「N500iS」(NEC製)に注目が集まっていた。
各通信事業者のサービス展示では、ゲームや音楽配信といったコンテンツがほとんど姿を消し、各社ともストリーミングによる動画配信に注力していた。日本ではあたりまえのものになりつつあるQRコードが台湾では動画配信の番組選びに利用され始めており、QRコード経由でアクセスできるニュースやドラマ、音楽番組などの動画配信サイトも増えているという。
データ通信は、各社がPCカード型端末によるW-CDMA(下り最大384Kbps)サービスを開始しており、VIBO TelecomやFarEasToneブースではHSDPAのデモも展開していた。いずれもノートPCの画面上でストリーミング動画をスムーズに表示して速度をアピール。VIBO Telecomは最大1.8Mbpsのサービスを年内に、FarEasToneは最大3.6Mbpsのサービスを来年に開始予定だという。なおHSDPAに対応した音声端末がまだほとんどないことから、現時点ではHSDPAのサービスはPCカード型端末で開始するとみられる。
またVIBO TelecomブースにはDVB-H方式による地上デジタル放送のデモ端末も展示されていた。サービスの開始時期はまだ未定だが、2007年中には開始したいと説明員。現在は料金や放映コンテンツのリサーチを行っている段階で、来訪者にアンケート調査を行っていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング