プラネックス、IP電話と携帯電話関連ソフト事業に参入

» 2005年04月15日 23時38分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 プラネックスコミュニケーションズは、5月20日付けでアメリカンメガトレンドと、その子会社であるトリスターを子会社化することを発表した。IP電話関連の技術開発会社RedSIP、データ通信及びモバイル関連製品開発会社susteenも傘下に収めている。

 従来プラネックスではルータやスイッチングハブなどネットワーク関連ハードウェアを開発していたが、今後はグループ全体で、携帯電話やIP電話に関連するサービスやソフトウェアへ事業を展開していく。

プラネックスの既存事業であるネットワーク関連ハードウェアの開発・販売に加え、IP電話関連の開発・販売の強化、携帯電話関連ソフトの開発・販売やASP事業を新しく開始するのが目的。グループ企業の製品や技術を、IP電話や携帯電話向けにアドレス帳データなどの管理を一元化して提供するサービスや、ASP事業などを展開していくという

 「AMI BIOS」などPC用BIOSで知られるアメリカンメガトレンドは、携帯電話のファームウェアや、携帯電話メモリ管理ソフト「携帯万能」シリーズの開発も手がけている。携帯万能を販売するトリスター社長の小俣信彦氏は「2006年にはナンバーポータビリティが始まり、これは携帯電話メモリ管理ソフトの最大の商戦期となる」と説明した。

 2004年第4四半期から売り出す予定の主力商品は2つある。1つは無線LANを利用してデータを同期する、携帯電話用クレードルだ。FOMA用、au用などキャリア別の充電用クレードルに無線LAN通信機能を付けたもので、無線LANを使って、携帯電話間でアドレス帳データを移行できる。

 もう1つは複数の無線IP電話間で、アドレス帳や着メロ、発着信履歴などのデータを共有できるようにする製品だ。こちらも無線LANでデータを同期・共有する。SIPプロトコルを用いるため、無線LAN対応のSIP電話機や、ルータにSIPソフトを入れた製品を販売する。

 どちらもすでにsusteenが米国で販売しているもので、それぞれ100ドル、199ドル前後。日本での価格もその程度になる予定だ。

これまで携帯電話のメモリ管理ソフトは、PCと携帯をUSBなどでつないでデータを同期するものがほとんどだったが、SyncMLに対応した携帯電話であれば、無線LANを利用してPCなしでデータの移行・同期ができる。ただし日本では、SyncMLに対応した携帯電話はVodafone 702NKなどまだ少ない(上)IP電話のデータ同期には、SIPプロトコルを用いる。無線対応のSIP電話機やルータ、携帯電話に入れるアプリとして入れたSIPソフトで、アドレス帳データや発着信履歴を、複数のIP電話で共有できる(下)

 パッケージ製品だけでなく、ポータルサイトと提携して、ASP事業として携帯電話のメモリ管理サービスも展開する考え。「ヤフーやライブドアなどのポータル事業者と提携し、電話番号の管理をASPサービスする事業を考えている。VoIPとの連携も視野に入れている」(プラネックスコミュニケーションズ社長、久保田克昭氏)

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