医用画像にも使える“BoxやDropboxではない”ファイル共有「Tiger Bridge」とは医用画像の長期保管を考える【中編】

「Tiger Bridge」はオンプレミスのストレージとクラウドサービスを連携させたファイル共有機能を持つ。このツールが医用画像の管理に使えるのはなぜなのか。

2023年05月26日 05時15分 公開
[Yann SerraTechTarget]

 ストレージ階層化サービス「Tiger Bridge」は、「Box」や「Dropbox」などのファイル共有サービスと似た機能を持つ。Tiger Bridgeを提供するTiger Technologyは、医療業界をターゲットに事業の成長を加速させようとしている。

 Tiger Bridgeのどういった要素が、医用画像の管理に適しているのか。その機能やデータ保管の仕様、特徴について紹介する。

BoxやDropboxに似た操作でファイルを管理できるTiger Bridge

 Tiger Bridgeを使うと、クラウドサービスに保管したファイルは、オンプレミスのストレージにあるファイルと同じように、OS「Windows」のファイルアイコンの形で表示される。ただしこのアイコンは、クラウドサービスにあるファイルを記号的に表しているだけだ。この仕様のおかげで、オンプレミスのストレージ容量を消費しないで済み、ファイルを簡単に見つけてアクセスできる。

 Tiger Bridgeで共有しているファイルは、Windows搭載PCから直接使用できる。技術的に興味深い点は、一種のキャッシュ(一時保存するデータ)を管理して、ファイルへの迅速なアクセスを実現することだ。ファイルを作成して閉じると、Tiger Bridgeによってファイルの内容はクラウドサービスに移動する。この処理はバックグラウンドで実行する。

 ユーザーがファイルを再び開くと、Tiger Bridgeによってそのドキュメントは小さなチャンク(分割したひとまとまりのデータ)単位で復元される。動画ファイルの場合、データを全てダウンロードした後に動画を開くのではなく、ユーザーが目にする部分だけをダウンロードするため、画面への表示が迅速になりやすい。ファイルサイズが非常に大きい医用画像の場合、表示可能なピクセルだけをまずダウンロードし、拡大表示などの操作に必要なピクセルは後からダウンロードする仕組みになっている。


 後編はTiger Technologyが「医療業界のクラウドデータ保管」を重視する理由について紹介する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news150.jpg

「AI」「遺伝子組み換え食品」「グリーンエネルギー」 イノベーションへの信頼度は?
PR会社Edelmanが実施した「信頼」に関する年次消費者意識調査の結果について紹介します。

news074.jpg

IBMが「巨大金魚鉢」で警告 生成AIがマーケターにもたらすリスクとは?
IBMが、ラスベガスの球体型アリーナ「Sphere」を、奇妙な魚が泳ぐ金魚鉢に変えた。テクノ...

news062.jpg

広告業界の平均年収上昇率ランキングトップ10
国内540万社の企業情報を網羅した日本最大級のデータベース「SalesNow DB」が、上場企業...