オープン4座+V8ターボ、“日常のフェラーリ”はいかが? 「フェラーリ・カリフォルニア T」日本初披露:いつかはフェラーリ
フェラーリの富裕層向け戦略モデル「フェラーリ・カリフォルニア T」が日本で公開。デザイン、走行性能、サウンド──フェラーリが持つ魅力はそのままに、電動ハードトップ、4シーター、トランクスルー機構など機能性、快適性も取り入れた。“日常のフェラーリ”と訴求する。
若者のクルマ離れが叫ばれ、ビジネスパーソンも“実用性重視”でコンパクトエコカーを選ぶ。ただ「興味はまったくない」のか。おそらくそうではない。新コペン、ホンダのビート復活版「S660」、さらに4代目「次期ロードスター」など、2014年は楽しさを感じ、呼び覚ますモデルが各メーカーから登場し、大人層を中心にオープンスポーツブームが起こりそう──と言われている。であれば、“オープンスポーツ”つながりでこちらもいかがだろう。
「フェラーリ・カリフォルニア T」日本初披露 オープン4座のフロントエンジンモデル
フェラーリ・ジャパンは4月17日、2014年3月開催「ジュネーブ国際モーターショー」で発表した新モデル「フェラーリ・カリフォルニア T」の日本初披露イベントを行った。
フェラーリ・カリフォルニア Tは、フェラーリブランドの根底にある優雅なデザイン、走行性能、エクスクルーシビティ(特別性)に加え、優れた機能性、快適性も両立したオープンFRモデル。1950年代から続くカリフォルニアモデルが特徴とする要素を継承し、フロントエンジン、電動ハードトップのオープン機構、2+2(4座)シートレイアウトの仕様とともに、ターボラグが発生しない新機構を取り入れたV8直噴ターボエンジンを新たに採用した。
テーマは「日常のフェラーリ」。フェラーリ 極東エリア統括マネージングディレクターのジュゼッペ・カッターネオ氏は「フェラーリ・カリフォルニアオーナーの70%が新規フェラーリオーナー。前車比で毎日の使用頻度が50%、複数人数で旅行使用頻度も65%高まるなど、オーナーは普段使いのクルマとして利用してくれている」と、性能やブランドの価値はそのままに、機能性や快適性に関するニーズの高まりもカバーする同モデルの狙いを説明した。
エンジンは3885ccのV型8気筒直噴ターボ。最高出力は412kW(560馬力)/7500rpm、最大トルクは755Nm/4750rpm(7速ギア時)。トランスミッションは7段DCT(F1システム)。0─100km/h加速は3.6秒。重量配分はフロント47%:リア53%。燃費公称値は10.5L/100km(約9.5km/L)。鋭いレスポンスと高い性能、パワフルな加速、官能的なエキゾーストサウンドなどフェラーリ伝統の品質とともに、カリフォルニア従来モデル比で70馬力増、トルク46%増を果たしつつ燃料消費量を15%カット、1馬力当たりのCO2排出量も20%低減させ、環境への影響も考慮した。
エクステリアは、伊ピニンファリーナと共同でデザインを根本から刷新した。従来モデルのサイズを維持しながら、「250テスタロッサ」(1958年)のポンツーンフェンダーを連想させる美麗なデザインに仕立てた。リアにはダウンフォース確保のためのトリプルフェンダーディフューザーを、そして14秒で開く電動ハードトップを実装する。
インテリアは、高級感のある柔らかい感触と耐久性を両立するセミアニリンレザーで仕上げ、パドルシフト付きの多機能ステアリングホイールや電子式メーターなどとともにドライバーの高揚感を刺激する。利便性や機能性を高めるトランクスルー機構も備えた。
車両価格は2450万円。ちなみに日本への初上陸は2014年後半を予定、仮に本日注文したとしても「少なくとも12カ月待ち」で、ジュネーブショー発表時にすでにバックオーダーを抱えていたそうだ。
日本自動車輸入組合による2013年度輸入車新規登録台数調査によると、フェラーリの新車登録台数は607台。意外に少ないと思うかもしれないが、フェラーリの年間総販売台数は7318台(2012年度)のため、全数の10%ほどが日本に納入されている。ちなみに3分の1が欧米、もう3分の1が中東、そして残りがアジアという分布。また、この裏に約1年分の新車納車待ちの富裕層があり、それでもほしいと待つだけの魅力があることも示している。“日常のフェラーリ”といっても決して媚びるわけでない、強固なブランド戦略がうかがえる。「おそらく今年最も人気を博すフェラーリになると思う。カリフォルニア Tが“日常”にある生活を想像してみてほしい」(フェラーリのカッターネオ極東エリア統括マネージングディレクター)。
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