LCCの香港エクスプレス、羽田便を片道1万2700円で運航開始:香港−関空便も就航予定
香港のLCC「香港エクスプレス航空」が羽田便と関空便の就航を発表した。羽田を深夜に出発して、香港を翌朝から満喫できる。
香港のLCC(格安航空会社)、香港エクスプレス航空が香港−羽田便の運航を11月7日から開始した。1日1便を毎日運航し、価格は片道1万2700円(燃油サーチャージ込み)だ。また、11月21日には香港−関空便も就航する。
使用機材は座席数174席(全席エコノミークラス)のエアバスA320で、シートピッチは約76センチ。羽田発は深夜1時30分で香港着は早朝5時45分、香港発は19時5分で羽田着は0時30分(いずれも現地時間)。機内では軽食のほかビールやワインを含むアルコール飲料も販売する。支払いはVisaもしくはMasterカード、日本円(紙幣のみ)に対応する。
まだWebサイトの日本語化が完了しておらず、当面、チケット販売は旅行代理店などを通じて行う。また、予約時の座席指定には対応しておらず、空港カウンターでのチェックイン時に指定する形となった。最前列および非常扉付近のシートはシートピッチが広い「スイートシート」(全9席、追加料金2000円)となっているが、こちらの指定も空港カウンターで当日先着順となる。チェックインは出発の3時間前から可能で、締め切りは出発の1時間前となっている。
来日したアンドリュー・コーウェンCEO代理は、「香港エクスプレスは2013年からLCCモデルに衣替えしたが、これまでにも10年近い運航実績がある。航空会社の根幹は何よりも安全性、次に定時運行性だと思っている。日本語サイトやオンラインでのチケット販売の準備ができていないのは申し訳ないが、近日中にサービスインの予定だ。われわれが就航することで、新たな『お・も・て・な・し』を提供できるだろう」とコメントする。
なお、11月21日から運航を開始する香港−関西便の価格は、後日発表予定だが「羽田便とそれほど変わらない」とのこと。こちらも1日1便を毎日運航(関空発14時50分香港着18時15分、香港発9時30分関空着13時55分)するが、LCC専用ターミナルではなく第1ターミナルを利用する。「通常のターミナルを使うことでコスト増になるが、利用者の利便性を優先すべきだと判断した」(コーウェンCEO代理)。関空便の予約状況が好調なことを受けて、12月7日からは月、木、金、日を2往復とする週11フライト体制(認可申請中)を予定している。
同社は10月27日からチェンマイ(タイ)、プーケット(タイ)、コタキナバル(マレーシア)、昆明(中国)、台北(台湾)をつなぐ5路線でLCCサービスをスタート。関空のほか、11月14日にはペナン(マレーシア)便も就航予定だ。2018年までには機材を現在の5機体制から30機体制まで増やす予定で、羽田や関空以外の日本の都市2〜3カ所への就航も視野に入れているという。
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