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米国のLED照明専門家に聞く、ブルーライトのメリット・デメリット(1/3 ページ)

米カリフォルニア大学でLED照明を専門とするチャールズ・ハント教授が来日し、LED照明から出るブルーライトの影響について講演を行った。

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 2011年ごろからブルーライトカットめがねが続々と登場し、1つのトピックを形成している。ブルーライトとは、その名前のとおり可視光の中の青色の光で、科学的にいうと380ナノメートルから495ナノメートル前後の波長を持つ光だ。

ブルーライト
(出典:ジェイアイエヌ)

 太陽光などの可視光線に含まれているブルーライトに注目が集まったのには2つの理由がある。1つはおよそ10年前に、人間の目に視覚情報処理ではなく生体リズムをコントロールするための光受容体の存在が確認されたこと。これがブルーライトを感受する光受容体だったことから、サーカディアンリズム(概日リズム、体内時計)との関連が研究されはじめた。

 もう1つは、LEDを使った照明や液晶ディスプレイなどの普及だ。PCやスマートフォン、タブレット端末などのLEDディスプレイは、それ以前に使われていたブラウン管や冷陰極管をバックライトに使う液晶ディスプレイに比べて、ブルーライトを多く発光する。ブルーライトはほかの可視光線に比べて強いエネルギーを持つ。スペクトル的に青色光のすぐ外側に位置する紫外線が、日焼けの原因となったり、消毒に使われたりするほど高いエネルギーを持つことからも想像いただけるだろうか。

 PC作業が続くと、目がしょぼしょぼしたり、ピントが合わせにくくなったりする経験を持つ読者も多いだろう。その一因としてブルーライトの存在が挙げられる。ブルーライトを多く見つめすぎることで、眼精疲労の原因となったり、体内時計が狂って睡眠障害を引き起こしたりすることが分かってきたのだ。このあたりは、「眼の専門家に聞く、LEDディスプレイから出る『ブルーライト』は何が悪い?」を参照してほしい。

 2012年10月9日に、眼科医らが集まって設立されたブルーライト研究会が、LED照明をテーマにしたシンポジウムを開催した。今回は、米カリフォルニア大学でLED照明を専門に研究するチャールズ・ハント教授が来日し、LED照明から出ているブルーライトのメリットとデメリットについて講演を行った。ハント教授は、米国で「The Blue Light Group」という学際的な団体を創設した人物でもある。

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