花粉症の「舌下免疫療法」とは春の訪れは花粉の訪れ

» 2015年02月28日 08時00分 公開
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 スギ花粉症の「舌下免疫」(ぜっかめんえき)と呼ばれる治療法をご存じでしょうか?

 舌下免疫法とは医師の指導のもと、スギの花粉エキスを舌の裏側につけるだけ――という、いたって簡単な処置で花粉症が治るという画期的な治療法です。保険適用で使える薬がすでに発売され(2014年10月)、病院で治療することができるとのこと。

花粉に反応しはじめた人を対象にした試験

 2015年1月、アレゴロジー・インターナショナル誌にて三重大学の研究グループが、この舌下免疫療法の花粉症予防効果についての研究結果を報告しました。

 研究グループは、スギ花粉に対する「IgE」と呼ばれる免疫の値が高いものの、スギ花粉に対して症状がでていない、つまりもうすぐ花粉症になりそうな29人を対象に「舌下免疫療法」の効果を検証したのです。5カ月間、被験者を2つのグループに分け、一方のグループには「舌下免疫療法」を行い、もう一方のグループには効果がみられなかった薬を使ってもらって比較しました。

(写真と本文は関係ありません)

 判定には、両グループの花粉症の症状だけでなく、免疫細胞の中で「インターロイキン10」と呼ばれる、花粉症やアレルギーなどの原因となる過剰な免疫反応を抑えるたんぱく質の量を測定しました。

 その結果、舌下免疫療法は花粉症の進行を予防できることが示されました。舌下免疫療法を行ったグループでは、偽薬のグループよりもスギ花粉症の症状が少なく、多くの人がインターロイキン10の値も増加し、免疫反応の暴走を抑える方向へ進んでいました。

 個人差もあり、すべての人が劇的に予防できるというわけではないようですが、ある程度の予防効果が期待できそうです。

すでに花粉症の人の治療は?

 ちなみに、治療における舌下免疫療法は8割の人に改善効果が認められるとのこと。すべての人が良くなるわけではないとはいえ、つらい花粉症を注射や薬を飲まずに治療できるならやってみたいという人も少なくないでしょう。

 ひとつ残念なのは、この治療はスギ花粉が飛んでいる時期は始められず、2年ほどかけてゆっくりと行います。来年以降の花粉症を少しでも楽にしたいという人は、花粉の時期が終わってから、一度医者にかかってみてはいかがでしょうか。

編集部より:

 本記事は自宅で遺伝子検査ができる「MYCODE(マイコード)」のサイト内で掲載している情報を転載したものです。

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