男性はいずれいなくなる? 男性の遺伝子が大量消失しているという「謎」急激に減少(2/2 ページ)

» 2015年01月29日 07時00分 公開
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元々あった男性限定の遺伝子は、わずか3%に減少

 ヒトの性染色体は、およそ2〜3億年前に男女共通の1対の染色体から誕生したと考えられています。このうちY染色体となったものは、進化の過程で遺伝子の消失が進んでいることが明らかになっています。

 特に、5回にわたって起こった大きな構造変化が遺伝子の消失を加速したと考えられています。度重なる構造変化の結果、Y染色体の多くが切り捨てられ、現在では元々あった遺伝子のうちわずか3%しか残っていないといいます。

 さらに、これらの遺伝子の欠失により、Y染色体の長さはX染色体の3分の1程度になってしまいました。これらのことから、Y染色体がいずれ崩壊するのではないかという説が生まれたわけです。

最後の3%は特別に大事だった

「男性は滅亡する」といった声があったが……(写真はイメージです)

 最後の構造変化が起こったとされる3000万年前以降、Y染色体の遺伝子の数はどのように変化してきたのでしょうか? 研究者たちは、約3000万年前まではヒトと共通の祖先であったサル(アカゲザル)のY染色体の遺伝子と、ヒトのY染色体の遺伝子を比較することで、2500万年前以降、どのくらいヒトのY染色体に変化が起きているのかを推定しようと試みました。

 解析の結果、Y染色体の遺伝子の消失は、3000万年前に起こった構造変化以降、ほとんど起きていないことが明らかになりました。2〜3億年という長いスパンでみるとY染色体の遺伝子は大量に消失しているように見えますが、最後に3%だけ残された遺伝子はとても重要で、大切に保存されてきていたのかもしれません。

 本当に必要なものだけを残しているY染色体。見習いたいものですね。

編集部より:

 本記事は自宅で遺伝子検査ができる「MYCODE(マイコード)」のサイト内で掲載している情報を転載したものです。

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