世界で一番乗り継ぎが便利な空港はどこ?――答えは「ウィーン空港」秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/4 ページ)

» 2014年10月17日 08時45分 公開
[秋本俊二Business Media 誠]

欧州のほぼ中央に位置するウィーン空港

 欧州に点在する魅力的な旅行先の中には、日本から直行便で行けない都市も多い。そうした都市を目指す場合は、どのルートでアクセスするかの選択を迫られることになる。迷ったときに私がまず候補に挙げるのが、オーストリアの首都ウィーンを経由する旅だ。

 ウィーンを勧める最大の理由は、やはり乗り継ぎの便利さにある。日本から毎日1便を運航するオーストリア航空のOS52便で11時20分に成田を発ち、現地時間の16時10分にウィーンに到着(2014年夏スケジュール)。そこから、実に67の都市に同日乗り継ぎができる。

成田発ウィーン行きのOS52便は、毎日11時20分に出発する

 世界地図を広げて見ると、便利さの秘密を理解できる。西欧と東欧、さらに北欧や南欧を含めても、ウィーンはそのほぼ中央に位置する都市なのだ。ウィーンを中心に1時間から3時間のフライトを想定した円を描いてみると、欧州のほとんどの都市がその円の中に収まってしまう。

 では、パリのシャルル・ド・ゴール空港やロンドンのヒースロー空港と、乗り継ぎという観点で比べるとどうか。大都市にある巨大空港は就航路線数が多い代わりに、時間帯によっては発着便が集中し、それが“遅延”の原因になる。天候不良などによって到着が遅れる便が発生すると、空港上空の周回を管制塔から指示されて30分以上も着陸できないケースがあるのだ。ウィーンのようなコンパクトな規模の空港には、そうした混雑がない。だから最短25分での乗り継ぎが可能になる。巨大空港に付きものの、ターミナルを電車やバスで移動して乗り継ぐストレスも、ウィーン空港にはない。

待ち時間なしで乗り継げるのは忙しい旅行者にとって何よりうれしい(撮影:中西一朗)

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