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オメガの超高耐磁ムーブメント「マスターコーアクシャル」、その歴史

» 2014年10月10日 19時05分公開

[Gressive]

　世界初の本格的な高耐磁性ムーブメントには、166年にわたって技術革新を重ねてきたオメガの歴史、そして数々の挑戦から生まれた遺産が受け継がれています。

　その遺産の一つが、1894年に他に先駆けて工業化した時計のムーブメントです。このムーブメントは「オメガ」と呼ばれ大ヒットしたため、やがて時計ブランド全体の名称になりました。初めての本格的なダイバーズウォッチを開発し、深海における素晴らしい実績も、遺産の一部といえるでしょう。オメガはその長い歴史において、どんなブランドよりも多くの精度検定に合格してきました。しかも1965年には、スピードマスターがNASAのあらゆる有人宇宙飛行に適していると認定され、6回の月面着陸すべてに携行されました。

　こうした冒険の中心となるのは、技術革新への揺るぎない取り組みと品質のあくなき追求です。このひたむきな姿勢がコーアクシャル脱進機の工業化（1999年）につながり、わずか8年後に完成したコーアクシャルムーブメントは21世紀の機械式時計製造に新風を吹き込みました。

　2013年には、世界初の本格的な超高耐磁ムーブメントを開発し、時計製造におけるもう一つの課題を解決しました。このテクノロジーはいまやオメガのメンズ&レディスコレクションのタイムピースに搭載され、スイスの機械式時計製造における品質の新しいスタンダードになっています。

　この新しい超高耐磁ムーブメントは「マスターコーアクシャル」と命名されています。

品質の新しいスタンダード

　オメガ社、ステファン・ウルクハート社長は次のように述べています。「マスターコーアクシャルムーブメントは、品質と技術革新を追求するオメガのひたむきな姿勢を浮き彫りにしています。近い将来、耐磁テクノロジーはオメガのあらゆる自社製キャリバーに採用される予定です。166年にわたるオメガの実績がなければ、この画期的なムーブメントは実現しなかったでしょう。地道な努力の積み重ねによって、この匠の技が生まれたのです」

　オメガのメンズ、レディスコレクションのみに搭載されているこの新しいムーブメントが、機械式時計業界に新風を吹き込みます。

　ブランドを代表する機械式ムーブメントの、堅牢さや信頼性をさらに向上させたこの新しいマスターコーアクシャルキャリバー。オメガはこのキャリバーによって「革命の進化」を実証します。

コーアクシャル脱進機

　コーアクシャル脱進機はムーブメントの心臓部であり、機械式時計に命を吹き込む重要な機構です。時計が文字通りチクタクと時を刻むための仕組みなのです。この脱進機は蓄えられたエネルギーをコントロールしながら「逃がし」、ヒゲゼンマイの振動を一定に保ちます。

　接触面を減らし、スライド式よりもプッシュ式の動きにすることで、コーアクシャル脱進機の摩擦を大幅に低減しました。機械の効率も向上し、時間を経ても安定した精度と優れたクロノメーター性能を確保します。

耐磁性

　オメガが2013年に導入した高耐磁性の機械式ムーブメントは、時計職人が何世紀にもわたって挑んできた課題を解決しました。家電や携帯電話、ハンドバッグのクラスプなど、日常生活で使用される磁石がますます増えるなか、時計メーカーは磁気が機械式ムーブメントに与える影響に対処しなければなりません。従来の対処法はインナーケースによってムーブメントを保護するというやり方でしたが、オメガはムーブメント自体に反強磁性素材を取り入れるという画期的な解決策を導入しました。そしてこの技術を工業化することによって生まれたマスターコーアクシャルシリーズの時計は、全て1万5000ガウス以上の強磁場に耐えうる性能を備えています。