「世界で最も多くの航空会社に搭乗した人」にギネス認定された、チャーリィ古庄さんってどんな人?秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(4/4 ページ)

» 2014年07月31日 11時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]
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成田空港近くに拠点を移して

秋本: これからの新たな目標は?

古庄: 平均すると年に20回ほどは海外に出かけますが、やっぱりまだ乗ったことのないエアラインの便を追い求めていきたいですね。機体のカラーリングや機内のデザイン、客室乗務員の制服などから「お国柄」や「文化」の違いを感じると、撮りたいという意欲も高まりますので。異国の空港を大きなカメラバッグを持ってブラブラ歩いていたらテロリストと間違えられて治安部隊に機関銃を向けられたとか、1年前に乗った機体が空中分解して堕ちたなんてニュースを聞いた時とか、ときどき怖い思いもしますが(笑)。

秋本: 自宅兼オフィスを都心から成田空港の近くに移して、もう4〜5年になる?

古庄: ちょうど5年ですね。いいですよ、成田は。世界中の珍しい旅客機が集まってきますし。「国際線が増えた羽田はどうなの?」とよく聞かれますが、羽田は半分以上が海に囲まれていますから、どうしても写真の背景が単調になってしまう。その点、成田は季節感にあふれ、満開の桜や紅葉、雪景色などの上空を舞う旅客機が狙えます。

成田空港近くに移した拠点から、ルフトハンザのA380初就航のときも現場へ

秋本: 私も何度かおじゃましたけど、本当に滑走路のすぐ脇に住んでいるという感じだね(笑)。だから撮影条件が整えばいつでも“現場”に駆けつけられるし、海外へ出ようと思えばすぐに飛んでいける。チャーリィにとっては、成田はまさに最高の拠点なんだろうと思う。今後も誰よりも多く空の旅を続けていくのだろうと考えると、さっきも言ったように、チャーリィのギネス世界記録を塗り替える人はもう出てこないね。

古庄: いやあ、分かりませんよ。秋本さんだって、相当乗っているでしょう。

秋本: 私の取材は日本から乗れるエアラインが中心なので、数としてはぜんぜん及ばない。日本に就航している会社で現在50〜60社くらい? その半分の30は乗っているとして、あとはオフライン(海外でしか乗れないエアライン)が30社くらい。多く見積もってもせいぜい60社程度だよ。しかもチャーリィと決定的に違うのは、私にはそもそも搭乗券を保管しておくという発想がない。飛行機から下りると、すぐに捨ててしまう(笑)。1回1回の搭乗記録をきちんと残してきたチャーリィが、本当にすごいと思う。尊敬してしまうよ。

古庄: そういえば、いっしょに旅をしていて、いつも不思議に思っていました。フライトが終わると、そこにあるゴミ箱にぽいって搭乗券を投げ捨ててしまう。もったいないなあって。

秋本: 搭乗券だけでなく、取材でもらった資料でも何でも、私は用事が済めばすべて処分してしまう。自分の周りに物がたまっていくというのが、性格的にイヤなんだよね。うっとうしくて。

古庄: だから、必要がなくなればすぐ捨ててしまう。搭乗券でも、女性でも。

秋本: 女性でも、って! バカ言ってるんじゃありません(笑)。

古庄: 冗談です。失礼しました(笑)。

秋本: ともあれ、これからもどんどん旅を重ねて「世界のチャーリィ古庄」として記録を塗り替えていってほしい。応援しているよ! 今日はありがとうございました。

取材後記

 Business Media 誠の編集部で7月25日に吉岡綾乃編集長の司会のもとで行われたチャーリィ古庄氏と私の対談の一部を、今回は誌上で再現しました。対談の詳しい様子は近く動画でも公開されますので、どうぞお楽しみに。予告編ということで、ショートバージョンを下に掲載しておきます。

 また本日(7月31日)、イカロス出版からチャーリィ古庄氏の新刊『世界の旅客機・捕獲標本』が発売されました。古庄氏が文字通り世界を飛び歩き、捕獲した旅客機のマーキングの数々をたくさんの写真で紹介しています。こちらも興味のある方は、ぜひ!


チャーリィ古庄さんと秋本俊二さんの対談の様子、ダイジェスト版をお送りします。インタビューの雰囲気を動画でお楽しみください。成田空港で撮影した、四季おりおりの航空写真など、チャーリィ古庄氏の写真をたっぷり織り込んで編集しました。近日中にロングバージョンを公開しますので、こちらもお楽しみに!(編集部)


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