ヤマハ、新提案三輪バイク「TRICITY」投入──「免許とろうよ」若年に呼びかけ超楽しそう!な三輪コミューター(1/3 ページ)

» 2014年07月02日 16時00分 公開
[岩城俊介,Business Media 誠]

 若者の○○離れが叫ばれる。オートバイ市場もその1つに挙がるが、日本自動車工業会の二輪車市場動向調査によると、オートバイの2014年度国内需要台数予測は前年比6.1%増の約46万9000台規模と増加に転じ、“じわり復活”の明るい兆しを見せている。

 ただ、この増加傾向は主に中・大型バイクと大型自動二輪免許を持つリターンライダー(若者時代にオートバイを親しんだアクティブシニア層)によるものと推測され、“若者のオートバイ離れ”の懸念が解消されたわけではない。今後の市場成長と継続には改めて「若者」を振り向かせ、長期的にファンを育てていく取り組みが必要。最近、オートバイメーカー自らが率先して「新しいライフスタイルを提案」「長期的にファンを育成」する施策に注目が集まっている。

photo ヤマハの新モデル「TRICITY MW125」。LMWと呼ぶ“第3の移動体”のカテゴリとして提案する

気楽に使えるコミューターとして若者に、ヤマハが“第3の移動体”「TRICITY」を投入

 ヤマハ発動機は7月1日、同社初の3輪バイク(マルチホイールモデル)「TRICITY MW125」を発表、2014年9月10日に発売する。価格は33万円(税抜)。4月に投入したタイ市場に続き、日本市場にも投入する。

photo TRICITY PRキャラクターの大島優子さんとヤマハ発動機の柳弘之社長

 TRICITYは2つの前輪(フロント二輪構造)、1つの後輪で構成する125ccの三輪バイク。同社はLMW(リーニング・マルチホイール)と新たなカテゴリに位置付け、オートバイ(二輪車、スクーターなど)の軽快さや扱いやすさと三輪による安定性を両立した“第3の移動体”として展開する。LMWはオートバイのようにリーン(傾斜)して旋回する3輪以上の車両を示す。車両区分は「第二種原動機付自転車」で、運転には「小型限定普通二輪車(AT含む)」以上を要する(*三輪バイクには普通自動車免許で乗れる、オートバイをベースに後輪を二輪とした“トライク”と呼ぶカテゴリもある。今回のLMWとは車両区分、必要免許が異なる)。

 国内の125ccスクーターは年間9万台規模(オートバイ市場の約2割)で推移しており、通勤用途や都市部での利用者を中心に経済性や利便性の高さが支持されている。TRICITYは独特のフロント二輪構造により125ccの「オートマチックシティコミューター」として、手軽な街乗り用途の新たな手段を提案するのが狙い。既存の125ccバイク利用者以外に、小回りの効く手軽な街乗り車を求める四輪車ユーザー、そして「これまでオートバイに興味がなかった人」へ強く訴求する。

photo 価格は33万円(税抜)から、発売は2014年9月10日
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photo ターゲットは若年層や女性層

 バイク離れが叫ばれる若年への提案として「“第3の移動体”で新しいライフスタイルを」。ひいては「楽しいので、免許とろうよ」と自動二輪免許の取得を促し、後押しすることで、今後の長期的なバイクファンを獲得する取り組みの一環にも位置付けたい考えだ。PRキャラクターに大島優子さんを起用し、「新しいカタチ」「免許とろうよ」と訴求するPR活動も行う。

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photo PRキャラクターに大島優子さんを起用し、「新しいカタチ」「免許とろうよ」と訴求する
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