ここ数年続く「登山ブーム」。2014年登山シーズン(7月)の開始を前に、富士山の世界遺産登録、昨今の健康志向、そして「山の日」(*)が新たに国民の祝日に制定されたことで、例年に増して「登山」が盛り上がっている。
休日ともなると、山登りの心地よさや自然のすばらしさを楽しむため、近郊の山の登山道には老若男女を問わず色とりどりのウエアを着た登山ファンが集う。ウエアをはじめとする登山用品の充実、そして雑誌やインターネットで情報も簡単に手に入るようになった。これまでとは違う若年の女性登山ファン「山ガール」といった新たなキーワードも生まれていることも、登山ファンの広がりを後押ししている。
この一方で、「山のリスクに無頓着」な初心者の遭難事故の増加も懸念されている。「山をあなどってはいけない」──。まずは「方位と高度を定期的に確認して、いま自分がいる位置を把握する習慣をつけてほしい」とアドバイスするのは、登山インストラクターの岩崎元郎氏。岩崎氏は山好きのサロンをコンセプトにした登山学校「無名山塾」を主宰し、1995〜1999年にはNHK教育テレビ『中高年のための登山学』に講師として出演していたベテランの登山家だ。
「いま自分がいる位置を把握する」とはどういうことか。登山ウオッチと山登りのスタイルに合わせて使い分けているという岩崎氏に、山登りにおける登山ウオッチの考え方、活用法、選び方のコツを聞いた。
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