さて、仕事のメールはガンガン届きますが、急ぎのものだけ処理して、ちょっと息抜き。まずは、スマホのTwitterクライアントやFacebookクライアントから、それぞれのタイムラインをチェックしてみました。
はっきりいって、その使用感は地上とまったく変わりません。Twitterに「機内なう」とツイートしてみたところ、とても驚かれました。SNS中毒、ネットジャンキーにとってJAL SKY Wi-Fiはたまりません。いい時代ですね。
もちろん、iMessageやLINE、Facebookメッセンジャーなどのツールも問題なくつながります。何も言わなければ、はるか上空にいる相手と会話しているなんて思わないでしょう。
このほか、機内からのリモートアクセスも試してみました。自宅にあるPCを遠隔操作できる「Chromeリモートデスクトップ」を使って、自宅PCにアクセスしてみたところ、間違いなく動いています。これであれば、海外からでも「日本のIPでのアクセス環境」を確保できますね。何に使うのかはみなさん次第です……。
ネットにつながっていたおかげで、あっという間に時間が過ぎてしまいました。個人的には、機内エンターテイメントとして提供される日本未公開の映画が見られなかったのが心残りですね。12時間のフライトで「時間がない」という状況になるとは……。
今回の仕事は、JAL SKY Wi-Fiでどんなアプリやサービスが使えるのか(あるいは、使えないのか)を調べることでした。その検証結果を紹介します。
まず、利用できなかったサービスは、SkypeやLINE音声通話、IPフォンなど通話を伴う「VoIP」系サービス全般。
また、あまり実用的でなかったのは、YouTubeなどの動画閲覧でした。主に通信速度の問題です。スピードテストを行ったところ、ダウンロード速度は200kbps〜900kbpsくらい。ちょっと遅めの3G回線というところですね。
というのも、ロンドン線の航路は緯度の高いエリアを飛行します。一方で、インターネットへと中継する通信衛星は赤道上にあります。衛星と飛行機のアンテナの角度(仰角)が小さくなるほか、地球が丸いことに起因する死角に入ることもあって通信速度が低くなるそうです(JALのによれば、2〜3個の通信衛星を利用しているとのこと)。
今回の体験取材に当たり、編集部が「SlingBox」を用意してくれました(正しくは、「これも検証してきて」と、無理やり押し付けられたのです)。自宅のテレビ/HDDレコーダーをインターネット経由で操作し、スマホやタブレットなどで鑑賞できるガジェットです(参照記事)。残念ながら、機内からのアクセスでは、接続や操作はできるものの、動画はコマ送り程度でしか見られませんでした。
普段からネット漬けな自分にとって、これまでの飛行機の旅はネット断ちをするいい機会でした。ところが、ここまでネット環境が充実してくると、機内と地上がシームレスにつながったかのような印象を受けます。
Twitterの書き込みテストを行った際、フォロワーの1人からフライト中の飛行機の位置をリアルタイムに知らせる「FlightAware」というサービスを教えてもらいました。このサービスを機内から使えば、日本に残る家族も安心です。
実際、帰国後に尋ねてみたところ、「今、どこにいて、何をしているのか、日本からも把握できたので安心した」そうです(ちょうどこの体験取材中に、マレーシア航空370便が消息を絶ったという事件が報道されたのでした)。
これまでは着陸してから「着いたよ」というメールを送っていましたが、機内から「もうすぐ着くよ」というメールも送れる時代になりましたね。「機内でも仕事に追われるなんて嫌だよ」と思う人もいるかもしれませんが、地上で当たり前のようにできていたことが、機内でも同じようにできる選択肢が増えることは、とてもいいことだと思います。
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