旅客機の近代史──大量輸送時代の幕開けからハイテク機登場まで秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/4 ページ)

» 2013年10月16日 11時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

777の登場と新しい小型機市場の誕生

 続いて、1990年代から現在までを振り返っていこう。1990年代に入ると、1980年代末に登場したボーイング747の発展型であるハイテクジャンボ747-400に次いで、マクドネル・ダグラスのMD-11やエアバスA330/340といった大型旅客機がデビューした。MD-11は1970年代のワイドボディ機の時代を築いたDC-10をベースにした大型3発機として人気を博す。

 ボーイングが1990年代に世に送り出した代表機種といえば、「トリプルセブン」の名で親しまれる777だろう。日本国内はもとより世界中で運航されている大型機で、1995年に就航後は777-200ER、777-300へと発展。その進化は2000年代になっても続くことになる。1990年代後半になると、ボーイングは単通路機737を進化させたNGシリーズの開発に着手。2000年代初めにかけて新型機を市場に投入した。

 この時代はまた、50席クラスを中心とするリージョナルジェット機の新市場が誕生した時期でもあった。その代表的な2つのメーカーが、カナダのボンバルディアとブラジルのエンブラエルである。

飛行機と空と旅 747の発展型として登場した747-400は「ハイテクジャンボ」と呼ばれる名機だ
飛行機と空と旅 エアバスの初代A300の後継機A330はその後、環境に優しいA330-300などへと進化
飛行機と空と旅 マクドネル・ダグラスMD-11はワイドボディ機DC-10をベースにした大型3発機
飛行機と空と旅 ボーイングのベストセラー小型機737を進化させたNG(Next Generation)シリーズ

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