ロンドンでクチコミを使ってG-SHOCKブームを仕掛ける男――ティム・グールドさんG-SHOCK 30TH INTERVIEW(番外編)(4/4 ページ)

» 2013年05月27日 16時11分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]
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G-SHOCKが提供する「ライフスタイル ストーリー」が重要

──今後、英国においてG-SHOCKをさらに広めていくために、何か新たな戦略を考えていますか。

グールドさん: プロモーションには常に2つの切り口があります。「ライフスタイル ストーリー」と「プロダクト ストーリー」です。これまで紹介してきたのは、主に前者の切り口での取り組みです。

 私たちは、G-SHOCKの「クールでかっこいい」イメージを維持し続けなくてはいけません。このイメージこそがG-SHOCKブランドに対する共感を呼び、ひいてはユーザーのライフスタイル ストーリーを紡いでいくのです。

 しかし一方で、G-SHOCKにはプロダクト単体としてテクノロジー面での魅力も備わっていますから、これを基にプロダクト ストーリーに訴えかけることで、新たなユーザー層を開拓できるのではとも考えています。例えば「スマートフォンとBluetoothで連携する技術」はとても魅力的だと思います。

──ちなみに日本では、「スマートフォンや携帯電話を見れば時間は確認できる」という理由から、腕時計をしない若者も増えています。

グールドさん: 確かに、単に時間を確認するだけなら、わざわざ腕時計を着けずともPCやスマートフォン、壁時計などで事足ります。私自身ですら、時間を確認するために常に腕時計を見るとは限りません。

 ただし、G-SHOCKのファンになった人々が、それを身に着ける理由は、単に時間を確認したいからではありません。G-SHOCKが持つ「タフネス」「クール」「信頼性」というブランドイメージが、「その人が何者なのか」を語ってくれるからなのです。

 まさにライフスタイル ストーリーを、G-SHOCKというブランドが語ってくれるわけです。このことがG-SHOCKブランドに対する人々の共感を呼び、ひいては購買につながります。つまり、人々にいかに「G-SHOCKとつながりたい!」と思ってもらえるかが重要なのです。

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