G-SHOCKタイ工場が復興できたのは、従業員たちのおかげ――カシオタイ社長インタビューあの洪水から1年半(4/4 ページ)

» 2013年05月01日 16時50分 公開
[永山昌克,Business Media 誠]
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若い人を中心に人気のデパート「サイアムセンター」のG-FACTORY
バンコク中心部にある「セントラルデパート」の時計売り場

――人件費がアップすれば、今後、自動化の要請が高まってくるのでは?

狩佐須 自動化は、大量に作るものであれば大きな効果を出せます。ただ時計の場合はモデル数が非常に多いため、自動化すると逆にコストがかかってしまいます。人に頼ることで現場コストは上がってしまいますが、それについては付加価値を高めることで、人件費アップの部分を押さえていきたいと思います。

 カシオの時計というのは、シンプルな構造を持つスイス時計とは違って、さまざまな付加価値が入った商品です。まさしく「創造 貢献」というカシオの企業理念を集約した商品といえます。そのことをわれわれは商品企画ではなく、ものづくりの中で実践していきたいと思っています。

――今上期に被災前の水準に戻すということですが、今下期の生産レベルはどのくらいを目指していますか?

狩佐須 本社でさまざまな計画があるので一概にはいえませんが、カシオの時計事業の拡大に対して、カシオタイとしても貢献したいと考えます。私としては100%以上になると思います。具体的にいくつなのかはまだ分かりません。

――今後の展望は?

狩佐須 カシオの時計は価値を創造しています。仮に生産量は同じであっても、よりよいものを作れば付加価値は高まります。メーカーとしての役割は、世の中が喜ぶものを生み出していくこと。カシオの時計事業はこれからもいい商品を作り続けていきます。そして売り上げを伸ばし、その中でわれわれも貢献していきたいと考えます。

 →G-SHOCKのふるさとを訪ねる――カシオタイ工場フォトレポート

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