コンセプトを大転換した新型ベンツAクラス、街や峠で実力を試した試乗インプレッション(1/5 ページ)

» 2013年03月25日 08時00分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

 2013年1月、ついに日本国内での販売を開始した新型メルセデス・ベンツ Aクラス。これまでメルセデス・ベンツのラインアップにはなかったキャラクターを持ち、かつ日本国内ではアニメーションを駆使した斬新なテレビCMが頻繁に流れていたこともあって、多くの人が発売前から新型Aクラスに高い関心を寄せていたようだ。

 かくいう筆者もその1人。幸運にも発売されたばかりのAクラスを3日間に渡って試乗する機会に恵まれた。これ幸いと、ワインディング、高速道路、市街地とさまざまなステージを思う存分走り込んでみたので、その乗り味をレポートしてみたい。

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製品コンセプトの一大転換を遂げたニューAクラス

 先代、先々代のAクラスは、どちらかといえばスペースユーティリティ重視の実用車というイメージが強く、見た目も2階建て構造ボディがもたらす腰高でいかにも実用車然としたルックスが特徴的だった。

 ところが新型Aクラスは、先代までのコンセプトを180度転換。一転してワイド&ローなスペシャリティ色が強いスポーティなルックスを身にまとって登場した。同じ「Aクラス」の名前を冠してはいるものの、まったく異なるジャンルに属するクルマとして生まれ変わったといってもいいだろう。

 もっとも、従来のAクラスのような実用性を重視したパッケージは、先に登場した新型Bクラスがその役割を担っていくことになりそうだ。そして新型Aクラスは、新型Bクラスと同じプラットフォームを共有しながらも、完全にプレミアムコンパクト市場に特化したモデルと位置付けられることになった。

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 実車と対面してみての第一印象は、やはり「スポーティ」「スペシャリティ」といったものだった。ロー&ワイドなフォルムに、スリーポインテッド スターを配した押し出しの強いフロントグリル。流麗なフォルムながらも、「どうだー、ベンツだぞー!」という主張の強さも十分に感じられる。ただ、フロントやサイドの思い切ったデザインに比べると、リアの外観はかなりおとなしめで、良くも悪くも普通の印象だ。

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