ファウンデーションモデルとは、自然環境保護団体とコラボレーションし、売上の一部を団体に寄付することで、保護運動をサポートするというモデルだ。
ファウンデーションモデルの第1弾は、1994年に発売された「国際イルカ・クジラ会議モデル」(通称「イルクジモデル」)。イルクジモデルはその後も毎年発表され、最新モデルは2012年6月から販売されている(参照記事)。
1990年代後半には、イルクジモデル以外にもさまざまなファウンデーションモデルが企画されていた。ガラパゴス諸島で生物の進化を研究するダーウィン研究所とタイアップした「ガラパゴスモデル」や、ケニアの国立野生動物保護区の名を冠した「マサイマラモデル」、極地の環境問題に取り組む「PSC(ポーラサイエンスセンター)モデル」などのモデルである。
「私が商品企画部にいたころに、ガラパゴスモデルとか、ポーラー(P.S.C.)モデルとかをやったんですが、面白かったですねえ。アラスカの犬ぞりレースを普及させる団体と一緒に作った『マッシャーモデル』なんていうのもありました。これはファウンデーションモデルだけではないですが、特にテーマモデルは、商品企画部で、時計と一緒にパンフレットを作るんです。8ページくらいの小さなフリーマガジンというか。環境保護活動などを啓蒙するためのパンフレットを作るのですが、現地に取材に行ってもらって、原稿を書いてもらい、それをまとめて冊子にしていました。当時、"G-SHOCK is Media"という販売プロモーションをしていたんですね。G-SHOCKがメディアであり、その上に情報を載せていく、という方向性だったんです」
スノーボード、サーフィンといったエクストリーム系スポーツに向けたG-SHOCKも、90年代後半にラインアップを増やしている。スポーツ向けシリーズは当初「X-treame」として始まり、後に現在も人気がある「G-LIDE」シリーズとなった。耐衝撃や防水といったG-SHOCKの基本性能に加えて、グローブをしていても装着しやすいバンドを採用したり、マイナス20度までの耐低温設計(スノーボード向け)や、気温や水温が測れる機能(サーファー向け)といった、各種スポーツに特化した機能が追加されているのが特徴だ。
また、この頃から始まったのがサッカーワールドカップのオフィシャルモデル。ドーハの悲劇に泣いた1994年アメリカ大会、日本が初出場した1998年フランス大会など、大会ごとに公式モデルが発売された。
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