EVの性能で最も注目される満充電からの走行距離は、従来の200キロから228キロに伸びた(いずれもJC08モード)。日本市場で販売されている他のEVと比較すると、価格が1000万円を超えるテスラモーターズの「ロードスター」の394キロより短いものの、これを除いて最長だったホンダの「フィットEV」の225キロを3キロ上回った。
走行距離の拡大は、車両重量の軽量化、減速時のエネルギーを電力に変換する回生ブレーキシステムの改良、省電力の暖房システムなどの採用によって実現した。
軽量化では、従来は別々の部品として組み付けていたモーター、インバータ、DC-DCコンバータを一体化したユニットにすることで、従来比で容積を30%、重量を10%削減した。この他、車載充電器の小型化や、大容量リチウムイオン電池のモジュールとケースの構造の合理化、各種部品の軽量化によって、車両重量は従来の1520キロから80キロ減って、1440キロになった(Xグレードで比較)。
回生ブレーキシステムは、減速エネルギーを電力に変換する下限速度を、従来の時速7キロから時速3キロまで拡大した。ヒートポンプ式キャビンヒーターや全席シートヒーター、ステアリングヒーター、遮熱天井などを採用する省電力の暖房システムは、従来よりも暖房時の消費電力を低減可能である。
大容量リチウムイオン電池の容量は従来と変わらず24キロワット時である。モジュールとケースの構造の合理化を除いて、電池セルなどは従来のリーフと同じものを使用している。
さらに、小型化した車載充電器の搭載位置を、従来の車両後部から車両前部に移したことにより、荷室容積が330リットルから370リットルまで増えた。
なお、JC08モードの交流電力量消費率も、従来の124Wh/kmから114Wh/kmに向上した。交流電力量消費率は、1キロ走行するのに必要な電池の容量(ワット時)を示す値で、低いほど良い。
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