2012シーズン最終戦「もてぎ」、3つ巴GT300クラスの覇者は?SUPER GT 2012(2/4 ページ)

» 2012年11月15日 15時29分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

GT300クラスはランキング3位から大逆転

 GT300クラスは最終戦で3チームがシリーズチャンピオンを争うこととなった。ポイントトップの33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)が71ポイント。4ポイント差の67ポイントで66号車 triple a Vantage GT3(吉本大樹/星野一樹)。9ポイント差の62ポイントで911号車 エンドレス TAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝)。

SUPERGT 33号車 HANKOOK PORSCHE

 ポイントトップの33号車 HANKOOK PORSCHEと2位の66号車 triple a Vantage GT3はこのレースで優勝すればチャンピオンを獲得できるが、3位の911号車 エンドレス TAISAN 911は優勝しても上位2チームの成績次第となっている。

SUPERGT 911号車 エンドレス TAISAN 911

 決勝前日に行われた予選で、トップは33号車 HANKOOK PORSCHE、2位は911号車 エンドレス TAISAN 911とチャンピオン争いをする2台のポルシェがフロントローを獲得。公式練習の途中でマシントラブルが発生した66号車 triple a Vantage GT3は、応急処置で予選に臨んだがタイムアタックする前にマシンが停止、22番手からのスタートとなってしまった。

 決勝は小雨が降り続く中、セーフティカー先導で始まり3周目にレースがスタート。ポールポジションの33号車 HANKOOK PORSCHEの影山選手がトップをキープ、2番手スタートの911号車 エンドレス TAISAN 911の横溝選手がこれに続いた。

 トップの33号車 HANKOOK PORSCHEはペースが上がらず、8周目に911号車 エンドレス TAISAN 911に抜かれ2位に後退。その後も10周目に3位、12周目に5位、13周目にはヘアピンでオーバーランし7位へ後退、チャンピオン争いから脱落した。

 22番手からスタートした66号車 triple a Vantage GT3の星野選手はオープニングラップで4台を抜き18位、4周目(実質2周目)に16位、5周目に12位と怒濤の追い上げを見せ9周目に8位まで浮上した。

 7位に落ちた33号車 HANKOOK PORSCHEも16周目にパス。前戦オートポリスで優勝争いをした3号車 S Road NDDP GT-Rの関口選手には苦戦するが、23周目に抜き去り5位までポジションアップした。後3つ、2位まで登り詰めれば911号車 エンドレス TAISAN 911が優勝しても同点となり、上位入賞回数の差でチャンピオンが獲得できる。

 22番手スタートから奇跡のチャンピオン獲得まで後わずかと思われた66号車 triple a Vantage GT3だったが、ドライバー交代に際にピットロードのスピード違反でドライブスルーペナルティが課せられ大きく後退した。

 ピット作業を終えた35周目の順位はトップが911号車 エンドレス TAISAN 911の峰尾選手。2位が87号車 JLOC ランボルギーニ GT3の山内選手、3位が88号車 マネパ ランボルギーニ GT3の織戸選手、4位が0号車 GSR 初音ミク BMWの谷口選手。66号車 triple a Vantage GT3の吉本選手は6位に後退し、2位との34秒差を残り17周で縮めなければならず、かなり厳しい状況となった。

SUPERGT 87号車 JLOC ランボルギーニ GT3

 終盤までトップを快走した911号車 エンドレス TAISAN 911の峰尾選手だが、残り4周で87号車 JLOC ランボルギーニ GT3の山内選手が急速に差を縮め、残り3周で1.1秒、残り2周で0.4秒とテール・トゥ・ノーズの争いとなった。しかし、峰尾選手は最後までトップで守り今季初優勝、ポイント3位から逆転でシリーズチャンピオンを獲得した。2位は87号車 JLOC ランボルギーニ GT3、3位は88号車 マネパ ランボルギーニ GT3、4位は最後まで接戦を続けた0号車 GSR 初音ミク BMW、66号車 triple a Vantage GT3は5位でチェッカーを受けた。

SUPERGT 88号車 マネパ ランボルギーニ GT3

 徐々に実力をつけてきたハイブリッド車の16号車 無限 CR-Z GT(武藤英紀/中嶋大祐)は11位、31号車 apr HASEPRO PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀)はレース序盤でリタイヤ、そろそろ表彰台が期待された61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太)は15位に終わった。

SUPERGT 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT

SUPER GT 2012シーズン終了、エヴァンゲリオン紫電がラストラン

 シリーズ戦はこのレースで終了となったが、SUPER GT、フォーミュラ・ニッポンが競演する「JAFグランプリ 富士スプリントカップ」が今週末、11月16〜18日に富士スピードウェイで開催される。

 チャンピオン争いを盛り上げた66号車 triple a Vantage GT3はチームから活動停止が発表されているのでラストランとなる。また、2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電も長年活躍した紫電のラストラン。大人気のエヴァンゲリオンレースクイーンの卒業も発表されている。

 毎年、白熱のレースを見せる富士スプリントカップだが、今年は特に見逃せない1戦になりそうだ。

SUPERGT 66号車 triple a Vantage GT3

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