――JINS PC以降、さまざまなブルーライトカットメガネが登場してきました。
田中 ビジネスなのでチャンスを取りに来るのはいいことです。でも、ちょっとした新しい工夫をしていただけるともっといいですよね。製品名も似ている、見た目や広告も似ているとなるとお客さんが誤認してしまいます。
健全な競争が盛り上がることはウエルカムです。さまざまなメガネ屋さんがブルーライトカットメガネを展開するということは、業界として絶対的に重要なことなんです。当社だけではマーケットは盛り上がりませんよ。
――最初に出したライトブラウンレンズを使ったパッケージ商品のJINS PCは、イタリア製レンズを採用しています。その後、登場した度付きのJINS PCからは国内レンズメーカー製のものを使っているとお聞きしています。
田中 最初のJINS PCは、現在「ハイコントラストレンズ」として販売しています。おっしゃるとおり、このレンズはイタリアのメーカーと共同開発したものです。ブルーライト以外の光も上手にカットする「光マネジメント技術」によって、ちらつきを抑えています。
一方、度付き対応したレンズは国内メーカーが、JINS PC用として当社の要望どおりに作ったものです。共同開発をして専売契約も結んでいますので、JINS PCで使っているレンズはほかのメガネ屋さんには提供されません。
――競合企業も別の国内レンズメーカーから調達していますが、その優位性は何でしょうか?
田中 共同開発には時間もかかりましたが、いいレンズができたと思っています。例えば、ライトブラウンレンズでは、ブルーライトカット率は競合レンズとほとんど変わりませんが、比べれば色が薄いのが分かります。それは、JINS PC用のレンズがサングラスのように単純に染色したものではなく、ブルーライトを効率的にカットするための添加剤を加えたものだからです。細かい違いなのでお客さんに伝わりにくいのですが(笑)。
また、JINS PCのクリアレンズは、夜間にクルマの運転をしても安心なレンズです。一般的な反射型のブルーライトカットレンズは光のギラ付きがあるものが多いので、夜間の運転には不向きだとされています。
――11月15日には、4つ目のJINS PCとして「JINS PC パッケージタイプ クリアレンズ(度なし)」が登場しました。これは既存の製品と何が違うのでしょうか?
田中 すでに度付き対応のクリアレンズもありますが、パッケージ用には新しくレンズを開発しました。素材が少し変わっていまして、ブルーライトカット率が約35%に上がっています(度付き対応レンズは約30%)。でも、見た目はほとんど変わっていません。
パッケージ商品として3990円という価格にするのは、非常に苦労しました。というのも反射型レンズは、度が入っていなくても無料で提供できるようなものではないのです。おそらく競合他社でも同じだと思います。当社のビジョンに共鳴されたメーカーの技術者さんが本当に頑張ってくれたのだと思います。
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