恋みくじの結果は? 地元の人に愛されるヤギを見てきたハチロクに乗って、12時間・500キロの旅(後編)(1/7 ページ)

» 2012年11月05日 09時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 そしてボクは、香川県の「善通寺」にやって来た。なぜ、そこに? と思われるだろうが、簡単に言えばアプリにオススメされたのだ。今回の旅には2つのテーマがある。(1)ドライブのルートは名所を案内してくれるアプリ「DriMuch(ドリマッチ)」を使う、(2)現地で出会った人に、地元の人しか知らないオススメスポットを聞く――。なんだ簡単なことじゃないか……と思われるかもしれないが、これは“表のテーマ”。“裏のテーマ”とは、とにかくうるさくて飲み食いのことしか考えていないT嬢を、怒らせてはいけないことだ。詳しいことは前編をご覧いただきたい。

ドリマッチには10のルートがあり、T嬢が選んだのは「瀬戸の潮風 海沿い絶景ルート」(走行距離は157キロ、走行時間は5時間)。6つの橋梁を結んだ世界最長の橋を皮切りに、淡路島と四国を結ぶゴール地点の大鳴門橋を目標に、瀬戸内の海岸線に沿ってひた走る今回のドライブルート

「くうかい」ではなく「空海」

 正直に言おう。ボクは善通寺というお寺が、どんなところなのか全く知らなかった。境内がとても広く、五重塔もそびえ立っているので、なんとなくスゴいところなのだろう。またお遍路さんがたくさん来ているので、四国八十八箇所のひとつに違いない。ドリマッチを見ると「四国霊場第七十五番札所」と書いてある。

善通寺西院の仁王門(左)、西院の回廊(右)。T嬢はこの木の柱を見て「イカツイなあ。イカツイなあ」と何度も言っていた

 隣を歩いているT嬢に目をやると、退屈そうな顔をしている。彼女もお寺や神社に興味がないのだろう。のぼり旗に「空海」と書いてあったので、ボクは独り言のように「くうかい」と語った。すると

 「えっ、なにか食べモンくれるんですか? うどんとコロッケを食べたら、お腹が空いてきちゃって」

――……。

 どこに行っても、食べることで頭が一杯なのだ。

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