雨の九州決戦、GT500クラスのチャンピオン決定SUPER GT 2012(1/4 ページ)

» 2012年10月22日 08時00分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

 9月30日、2012 AUTOBACS SUPER GT第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300km」が大分県のオートポリスで開催された。

 GT500クラスは快走を見せた32号車 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)を最終ラップで逆転した1号車 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)が今季2勝目を挙げ、最終戦を前にシリーズチャンピオンを獲得した。

 GT300クラスは66号車 triple a Vantage GT3(吉本大樹/星野一樹)が今季2勝目。911号車 エンドレス TAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝)が2位、33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)が3位となり、表彰台を獲得した3チームが最終戦でチャンピオンを争うこととなった。

最終ラップに逆転、S Road REITO MOLA GT-Rがシリーズ連覇

 台風の影響で開催が危ぶまれた「SUPER GT IN KYUSHU 300km」だったが、決勝は小雨の中で65周のレースが無事行われた。ウエットコンディションのためセーフティカー先導でスタートが切られ、3周目から戦いは始まった。

 ポールポジションからスタートした19号車 WedsSport ADVAN SC430のクート選手が1コーナーを制しトップをキープ、23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの本山選手がこれに続いた。23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの本山選手はこの周回で19号車 WedsSport ADVAN SC430のクート選手を抜きトップに立ち、3周目(事実上のオープニングラップ)の順位は、1位が23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの本山選手、2位が19号車 WedsSport ADVAN SC430のクート選手、3位が24号車 D'station ADVAN GT-Rのビルドハイム選手となった。

SUPERGT 1号車 S Road REITO MOLA GT-R

 23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの本山選手は2位以下を引き離し独走態勢を築くが、11周目にGT300クラスのマシンのクラッシュによりセーフティカーが入りレースはリセット、築いたマージンを失ってしまった。

 17周目にレース再開。再開直後に24号車 D'station ADVAN GT-Rのビルドハイム選手が19号車 WedsSport ADVAN SC430のクート選手を抜き2位に浮上。ヨコハマタイヤを履く2位3位の2台はペースを上げ、23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの本山選手の背後に迫った。

 27周目の1コーナー立ち上がりで24号車 D'station ADVAN GT-Rのビルドハイム選手と19号車 WedsSport ADVAN SC430のクート選手が23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの本山選手を抜き1位2位に浮上。抜かれた23号車 MOTUL AUTECH GT-Rの本山選手はペースが落ち翌周にピットインしタイヤ交換を行った。

 開幕から6戦、ノーポイントの32号車 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)はこのレースで快走を見せた。予選Q2でクラッシュしエンジン交換を行ったため、スタート後に15秒のペナルティストップを消化しトップから1分近く遅れてしまったが、セーフティカーの導入でその差は一気に縮まった。

SUPERGT 32号車 EPSON HSV-010

 レース再開後、14位の32号車 EPSON HSV-010の道上選手は怒濤の追い上げを見せ、20周目には10位、27周目には5位、30周目にはき3位に浮上した。

 32号車 EPSON HSV-010の道上選手の前を行く24号車 D'station ADVAN GT-Rのビルドハイム選手は40周目にピットイン。タイヤ無交換で安田選手にドライバー交代した。19号車 WedsSport ADVAN SC430のクート選手は41周目にピットイン。こちらはタイヤ交換を行ったためドライバー交代した荒選手がコースに戻ると、序盤にタイヤ交換を行った23号車 MOTUL AUTECH GT-Rのクルム選手の後方4位へ後退した。

SUPERGT 19号車 WedsSport ADVAN SC430

 前2台がピットインしトップに立った32号車 EPSON HSV-010の道上選手は42周目にピットイン。タイヤ無交換でピット作業時間を短縮しトップのままコースに復帰、代わった中山選手がゴールを目指した。

 ポイントランキング1位の1号車 S Road REITO MOLA GT-Rは予選で低迷し10番グリッドからスタート。クインタレッリ選手は7位までポジションアップするが前を塞がれペースアップできないため早々にピットインを行い後方から追い上げる作戦を取った。

 全車がピットインを済ませると1号車 S Road REITO MOLA GT-Rの柳田選手はトップから16秒差の5位。51周目に23号車 MOTUL AUTECH GT-Rのクルム選手を抜き4位。レース残り9周で19号車 WedsSport ADVAN SC430の荒選手を抜き3位。翌周24号車 D'station ADVAN GT-Rの安田選手を抜き2位に浮上。14秒前を行く32号車 EPSON HSV-010の中山選手を追走した。

SUPERGT 24号車 D'station ADVAN GT-R

 トップ2台の差は残り5周で7秒、残り3周で5.5秒、残り2周で3秒と縮まり、0.5秒差でファイナルラップに突入。残り半周となる第2ヘアピンでイン側をキープした32号車 EPSON HSV-010の中山選手が止まりきれずオーバーラン。クロスラインをとった1号車 S Road REITO MOLA GT-Rの柳田選手が立ち上がりで先行し逆転した。

 1号車 S Road REITO MOLA GT-Rはそのままゴールし今季2勝目。ポイントランキング2位の38号車 ZENT CERUMO SC430が7位となったため最終戦を待たず2年連続のシリーズチャンピオンを獲得した。2位には32号車 EPSON HSV-010が入り今季初ポイント獲得。3位はペースダウンした24号車 D'station ADVAN GT-Rをファイナルラップで抜いた19号車 WedsSport ADVAN SC43が入り2戦連続の表彰台を獲得した。

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