冒頭、ハント教授は、環境対策や省電力のためにLEDの普及が世界全体で進んでいることを紹介する。
「米国の年間消費電力のうち、人工光が占める割合はおよそ20%です。これをLEDなどすでに存在している効率的な光源に置き換えることで半分が削減できます。日本でどうなっているのかは分かりませんが、米国や英国、カナダ、オーストラリアなどではエジソンが発明した伝統的な電球は段階的に廃止することになっています」
それでは、なぜブルーライトはLED照明から多く出るのだろうか。その答えは、現在、普及帯にあるLED製品の製造方法にあった。1つは赤、緑、青という3つのLEDを発光して、白い光を作る方法。いわゆる光の三原色の応用だ。しかし、この方法は光の表現力が乏しく、何よりもコストが高くつく。
現在、主流となっているLED製品は、主に460ナノメートルの波長を持つ青いLEDを光源として、青い光に黄色などの蛍光色素を反応させて白い光にしている。上記の方法に比べて効率の良さは劣るというが、光の表現力は及第点、コスト面でも改善可能という。つまり、LED照明からブルーライトが多く出ているというよりは、もともとLED照明というものがブルーライトを光源とするものだったのだ。
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