2012年6月1日の現地時間で午前8時過ぎ、私はフランクフルト国際空港の搭乗ゲートに到着した。電光掲示板には「ワシントンD.C.行き、LH416便」と表示され、出発準備を進める真新しい747-8Iの機体がウィンドウ越しに見える。
とにかく大きい。747-400に比べてボディは5.8メートルストレッチされた。A380よりも長い76.4メートルの全長は、世界一だ。メーカーが設定する3クラスでの標準座席数も、747-400の計416席(ファースト23、ビジネス80、エコノミー313)から計467席(ファースト24、ビジネス87、エコノミー356)へと大きく増加した。
そしてこの機体には、21世紀のテクノロジーが細部に組み込まれている。747-8Iはローコストオペレーションが可能で、排気ガスや騒音など環境への影響を最低限に抑えつつ、大量の旅客と貨物を経済的に運べる機種として開発された。新しく設計された主翼は最新中型機787のように優雅に後方へと伸び、先端には上方に流れるように折れ曲がったレイクド・ウイングチップを採用。見た目にも滑らかだ。エンジンは787と同じGE製GEnxで、787のGEnx-1B型よりもファンブレードの直径をやや小型にした最大推力6万6500ポンドのGEnx-2B型を装備している。エンジンナセルのテールとエンジン本体の排気ノズルのテール部分は排気音軽減のため波形のシェブロン構造にした。
こうした新設計の主翼構造や高効率・高性能エンジンの搭載により、747-8Iは747-400と比べて乗客一人あたりの燃料消費とCO2排出をそれぞれ15%削減したほか、騒音の30%軽減にも成功した。
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