成田からアトランタへは、デルタ航空がデイリーで結んでいる。アトランタからは全米各都市のほか、中南米やカリブ諸国への路線網も充実。日本人旅行者が利用する機会もますます多くなった。施設の大きさや、利用者数、発着便数──アトランタ国際空港はそのどれをみても世界最大級だが、旅行者の間では「大きくても機能的にデザインされていて、とても分かりやすい」と評価が高い。
しかし私は、同空港をこれまで何度か利用してきて、国際線の到着に関してだけは不満を持っていた。日本から到着すると、入国審査を受けて、預けた荷物をピックアップして税関を通過する。普通だと、あとはそのままターミナルの外に出ればいい。ところがアトランタでは、税関を通過したあとで、乗り継ぎの場合もアトランタが最終目的地の場合ももう一度荷物を預けなければならなかった。列に並んでセキュリティチェックを受け、国内線ターミナルまで移動したうえで、再び荷物を受け取るという仕組みだ。最初は「空港が広いから手荷物受取所まで運んでくれているのかな?」とも思ったが、空港の設計上、そうしたシステムにならざるを得なかったというのが実情のようである。
アトランタ国際空港を利用したことのある人なら、誰もが同様な体験をしてきたに違いない。新しい国際線ターミナルでは、唯一といってよかったこうした欠点もすっきり解消されている。
私がアトランタ国際空港の新国際線ターミナルを取材したのは、2012年5月16日のオープン当日である。オープニングセレモニーが始まる前に、各国から招かれた記者たちとともにターミナル内を歩いてみた。
真新しい自動チェックイン機が並んだ出発ロビー。セキュリティチェックのエリアを抜けると、開放感あふれた吹き抜けのトランジットロビーが広がっている。ここが各ゲートへとつながる基点であり、あちこちに案内図が設置されているので迷う心配もない。案内図はタッチパネル式で、必要な情報を誰でも簡単に確認できる。ロビーを取り囲むように、大型免税店などのショッピング施設もオープン。上層階には回廊が巡らされ、デルタ航空のラウンジ「デルタスカイクラブ」へはそこからアクセスが可能だ。
新ターミナルの「デルタスカイクラブ」は300人を収容可能で、8部屋のシャワールームやビジネスエリア、音楽・ビデオなどが楽しめる視聴覚室などが設置された。ビールやワインなどのアルコール類が無料でサービスされるほか、プレミアムワインやシャンパンなどを有料で楽しめる「ラグジュアリー・バー」もある。大きな窓越しにアトランタ国際空港のパノラマが楽しめ、飛び立っていく旅客機を見ながら出発までの時間をのんびり過ごすのも悪くない。
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