car2goの特徴は4つ。1つ目は、一般的なカーシェアリングでは難しい片道利用、つまりは乗り捨てが可能なことである。指定エリア内であればどこでも乗り捨てられる。
2つ目は、会員登録さえしていれば、いつもで予約なしで利用できることだ。目の前に利用可能なcar2goのスマート・フォーツーを見つけたら、フロントガラスの裏に設置された認証装置に会員証をかざして車両に乗り込み、暗証番号を入力すれば、そのまま運転を始められる。目的地に着いたら、降車してから再度認証装置に会員証をかざせば、利用終了ということになる。
3つ目は、利用料の1分単位の課金である。一般的なカーシェアリングは10〜15分単位で課金しているが、1分単位のcar2goは乗車から降車までの利用した時間がそのまま利用料になるわけだ。利用料の他にかかる料金は、会員登録のための登録料だけである。そして、課金プランはこの1分単位の課金だけしかないので、「シンプルで分かりやすい」(Becker氏)という。
4つ目の特徴としては、テレマティクスとITの活用によって、利用可能なcar2goの位置をスマートフォンなどで検索して簡単に見つけられることが挙げられる。Becker氏は、「カーシェアリングの予約時間を基にスケジュールを決めるのではなく、自分のスケジュールにカーシェアリングの方を合わせることができる。このフレキシブルさが、他のカーシェアリングとcar2goの最大の違いだ」と強調する。
car2goは、2009年にドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州の小規模都市ウルムから始まった。3年経過した現在、ウルムの約17万人の人口のうち2万1000人以上がcar2goに登録しているという。
その後、さまざまな規模の都市に展開を広げて、現在は16都市で利用可能になっている。中でも、2011年4月に始めたドイツの首都ベルリンにおけるサービス規模は大きく、約1000台のスマート・フォーツーで250平方キロメートルをカバーしている。
現時点でcar2goの登録ユーザー数は全世界で10万人以上。運用されているスマート・フォーツーの総数は4000台以上になる。さらにBecker氏は、「car2goは、スマート・フォーツーのマーケティング活動ではない。事業として成り立たせるために展開してきたし、実際に現在はそうなっている」と説明する。
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