ローリング・ストーンズの歴史を味わうことができるかもしれない――。そう感じさせるウイスキーが誕生した。
サントリー酒類はロックバンド「ローリング・ストーンズ」の結成50周年にちなみ、1本50万円(700ミリリットル)のウイスキーを発売する。バンドのアイコン「Lips & Tongue(リップス・アンド・タン)」をデザインしたベロ型ボトルに入っているので、ファンにとってはたまらない一品だ。
さて1本50万円もするウイスキーはどのようにして作られたのだろうか。このウイスキーのアルコール度数は50度。ストレートでもロックでもおいしく飲めるモノを目指したという。また結成50周年にちなみ、ストーンズの活動の中から節目となる年に樽詰めされた原酒を厳選し、ブレンドした。
例えばストーンズが結成された1962年のモノとして、国産ミズナラ材の樽で長期熟成した山崎モルトなどを使用。記者も試飲をしたところ、まずフルーティな香りが口の中で広がった。その後は、ほろ苦い味。アルコール度数は50度だが、口の中でやわらく広がっていくといった感じがした。
サントリー酒類のチーフブレンダーの福與伸二(ふくよ・しんじ)さんに味わいの特徴を聞いたところ「まずドライフルーツやよく熟した果物の甘い香りがしたのでしょう。そして『ほろ苦さ』というのは、カカオやダークチョコレートの味を感じたのでは」とのこと。
このウイスキーに使用されている1962年モノの山崎モルトはどのような特徴があるのだろうか。「透明感があって、スパイシーさを味わうことができます。この味は日本でしか出せないものですね。またウイスキーを飲めばココナッツの甘味も感じることができると思うのですが、それは1962年モノから来ているものです」(福與さん)
ちなみに1962年といえば、庶民に愛された「トリスバー」全盛期。それまでは日本人にとってウイスキーはあまり馴染みがなかったが、トリスバーの流行によって、身近なお酒になったのだ。
年 | ストーンズの出来事 | 原酒 |
---|---|---|
1962 | ストーンズ結成 | 山崎モルト |
1971 | リップス・アンド・タンのマークが完成 | 山崎モルト |
1972 | アルバム「Exile on Main ST.」リリース | 山崎モルト |
1981 | 「Start Me Up」リリース | 山崎モルト |
1990 | 東京ドーム初来日公演 | 白州モルト/知多グレーン |
サントリー酒類は6月にリップス・アンド・タンをデザインした「ストーンズバー」(ビール類、カクテル、ハイボール)を発売している。ハイボールは若い人たちに、カクテルはコンビニでよく売れているという。今回発売する50周年記念のウイスキーは150本限定で、10月30日から発売する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング