“走り”にこだわる長友選手、この1年を振り返る――マツダ「SKYACTIV」1周年イベント(1/3 ページ)

» 2012年06月21日 15時29分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

 2012年6月20日、六本木ヒルズアリーナ(東京・六本木)で「MAZDA SKYACTIV TECHNOLOGY 1st アニバーサリーイベント」が開かれた。本イベントはその名のとおり、マツダが現在推し進めるクルマ作りの新技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」が市販車に初めて採用されてから、ちょうど1年が経ったことを記念して開催されたものだ。

マツダ マツダの山内孝社長とSKYACTIVアンバサダーを務める長友佑都選手(画像をクリックすると拡大します)

 SKYACTIV TECHNOLOGYは、2011年6月にマイナーチェンジしたデミオに搭載したガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.3」で初めて商品化され、内燃機関のブラッシュアップのみでリッター30.0キロ(10・15モード)という低燃費を叩き出して、大きな話題を呼んだ。その後、SKYACTIV TECHNOLOGYはアクセラでガソリンエンジンとトランスミッションを搭載。さらに2012年2月発売のCX-5では、ボディとシャシーも含めた「全身フルSKYACTIV仕様」が実現した。

 イベントには、マツダの会長 社長 兼 CEOの山内孝さんと、同社のテレビCMに出演し、SKYACTIV TECHNOLOGYの魅力を広く社会に伝える「SKYACTIVアンバサダー」を務めるサッカー選手の長友佑都さんによるトークショーやセレモニーなどが行われた。

年間販売目標の約2倍の台数を4カ月間で受注したCX-5

 山内社長によるプレゼンテーションによれば、この1年間でSKYACTIV TECHNOLOGYを搭載したモデルの販売台数が世界中で15万台以上に達する見込みたといい、その実績の高さを強調した。

「わずか1年の間で、世界中で販売したマツダ車の10%以上がSKYACTIV TECHNOLOGYモデルとなった。今期は20%を見込んでおり、販売は順調に推移している。これもひとえに、マツダ車を支持していただいているユーザーのみなさまのおかげだと感謝している」(山内社長)

 同氏は、「2020年時点でも、世界中で販売される車の中で占める電気自動車のシェアは10%足らずであり、まだ内燃機関が主流だと予想される」との調査結果を引き合いに出し、一足飛びに電気自動車やハイブリッドカーに行くのではなく、まずは内燃機関の効率化を追求したうえで、その後に電気デバイスを順次投入するというSKYACTIV TECHNOLOGYのロードマップが世界の潮流に合致していることを説明した。

「こうしたロードマップを描くことで、ごく一部のユーザーだけでなく、世界中の幅広い人々にマツダの環境技術の恩恵を受けてもらえる。長期的に見れば、内燃機関の効率化こそが地球環境の保護に最も大きく貢献できると考えている」(山内社長)

 また同氏は、SKYACTIV TECHNOLOGYを搭載したデミオ、アクセラ、そしてCX-5が世界中で販売台数を伸ばしており、特にCX-5に関しては、当初は日本国内での年間販売台数1万2000台を見込んでいたのに対し、発売4カ月間ですでに2万3000台もの受注を獲得していることを明かした。しかも、そのうちの約8割が、クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」を搭載したモデルだという。

 山内社長は、今後のSKYACTIV TECHNOLOGY搭載モデルの展開予定にも言及。

「2011年末の東京モーターショーで発表した中型セダンのコンセプトモデル『雄(TAKERI)』をベースにした次期アテンザを、2012年後半に発売する予定だ。次期アテンザもSKYACTIV TECHNOLOGY搭載モデルになるが、CX-5と同じくディーゼルエンジンを搭載することで、日本におけるクリーンディーゼル市場の開拓に挑んでいきたいと考えている」

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