「全レガシィ。全性能進化。」をうたい文句に、レガシィがビックマイナーチェンジした。特に注目すべきはスバル初となる直噴エンジンを追加したこと。そして、スバリストには思い入れのある2リッターターボが復活。
しかも、その性能は最高出力300馬力、最大トルク400ニュートンメートルという通常販売モデルとしてはレガシィ史上最強エンジン。そんなレガシィ ツーリングワゴン 2.0GT DITに早速試乗することができた。
スバルBOXERエンジンの弱点は「低回転でのトルク」。2010年に登場したFBエンジンでロングストローク化をはかり、その弱点は過去の物となったが、FBエンジンにターボモデルは存在しなかった。
「FB型エンジンのターボはまだか?」と思っていたスバリストも多いはず。そんな中、トヨタとの共同開発で有名なBRZに、FA型エンジンという直噴NAのBOXERエンジンが登場した。しかし、このBRZに積んだ直噴エンジンは、トヨタの直噴技術D4-Sを利用していたために、他のスバル車にそのまま搭載できなかった。
そこで、スバルは独自の直噴技術開発を同時に進め、その直噴技術を採用たFA型ターボエンジンが誕生した。それが今回のDIT(Direct Injection Turbo)というわけだ。
レガシィは、新型を発表するたびに数値上のトルクが太くなり、低回転で大きなトルクを発揮できるエンジンへと進化を続けてきた。しかし、それでも乗るたびに「やっぱり低回転でのトルクが細いな」と思っていた。しかし、今回は直噴という武器を手に入れ、まったく別次元のエンジンへと進化した。
アクセルに足をのせ、一踏みした瞬間に思った。「これは本当に水平対向ターボなのか?」と。
とにかく低回転でのトルクが太くなった。トルクの塊とまでいわれたフォルクスワーゲングループの2リッター直噴ターボエンジンほどではないが、今まで感じていたトルクの細さは完全に過去のものになったといってもいいだろう。
また、当然ではあるが300馬力のパワー感は「すごい」の一言。筆者は、過去に280馬力のレガシィB4(BE型)に乗っていたが、「本当に20馬力しか変わらないのだろうか?」と疑問を持つくらいにパワフルに感じる。レガシィ史上もっとも軽く感じるレガシィといってもいいだろう。
もともと定評のあったリニアトロニックは、高トルク対応型となって搭載した。停止状態からアクセルを踏み込むと、最高のトルクを生み出す2000rpmくらいまですっと上がり、そこからはほぼ一定の回転数を保ったままグイグイと加速する。
S#モードでは8段ステップ変速となる専用制御を行い、CVTとはまったく違う感覚を得ることができる。しかも、その変速反応は素早く、アクセルの反応も抜群に早い。
まるでMT車に乗っているような感覚だ。低回転でギクシャクするツインクラッチの技術には、ますます疑問を持たざるを得ない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング