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» 2012年06月08日 11時18分 UPDATE

杉山淳一の +R Style:第58鉄 竹取伝説と富士山とつけナポリタン――岳南鉄道 (1/5)

静岡県を走る岳南鉄道は、主力事業の貨物輸送が終了して試練の時を迎えている。そんな岳南鉄道を桜咲く快晴の日に旅した。ランチは吉原の新名物「つけナポリタン」だ。

[杉山淳一,Business Media 誠]

 静岡県富士市にある岳南鉄道は、東海道本線の吉原駅と岳南江尾駅を結ぶ9.2kmのローカル鉄道だ。主力事業であり、鉄道ファンの人気を集めた貨物輸送が終了し、試練の時を迎えている。そんな岳南鉄道を、桜咲く快晴の日に旅した。沿線も路線も魅力たっぷりな春の一日となった。

map 今回のルート。ここをクリックすると筆者による各ポイントについての説明が読める

桜の季節の東海道線は山側がオススメ

 桜の花は七難隠す……とは言わないけれど、桜の時期はどんな路線の車窓も楽しい。都会では意外なところに桜が咲いている。「枯れ木だと思っていたら、あれは桜だったのか」という発見もある。山村では緑色の中に桜色の帯ができたりする。地下鉄は景色が見えないけれど、それだけに地上に出た時の桜に癒される。街に歓迎されたような気分だ。

 さて、今日は東京駅から東海道本線の各駅停車で静岡県の吉原駅を目指す。銀色の通勤電車も、編成の端はボックスシートで旅の気分。湘南新宿ラインの遅れで時間調整したり、横浜駅で特急踊り子に抜かれたりと、のんびりしている。点在する桜を数えながら心地良く居眠りモード。

 東海道本線は根府川あたりの海側の車窓がいいが、桜の時期は山側がオススメ。小田原をすぎると桜、みかん、段々畑……里山の春の景色を楽しめる。とくに湯河原の先の、ほんの一瞬の景色が良かった。カメラを構えたけれどキャップを外していなかった。油断した。

ay01.jpg 東海道線の車内から見た、桜と里山の景色。東海道線の電車はUVカットガラスだから、北野武監督の映画みたいな色になってしまう

 JR東日本の15両編成の電車は熱海が終点。ここからはJR東海の3両編成の電車になる。熱海はJR東日本にとっては関東のリゾートだが、JR東海にとっては僻地なのだろうか……。乗り継ぎ客が集中して満員だし、ロングシートとは興ざめだけど、エアサス仕様で乗り心地はよく、トイレも洋式で便座クリーナーを備えている。長旅にはうれしい車両だ。

 吊革につかまって、外を眺める。富士山は雲に隠れてしまったけれど、丹沢山系は全容をくっきり見せている。これはこれで珍しく、良い景色だ。

ay02.jpg 三島駅で伊豆箱根鉄道の電車を見る。手前がオリジナル車両の7000系。奥がもうすぐ引退する1100系(元西武鉄道701系)
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