タクシーの制服にも採用、ユニクロ2012年夏のクールビズ戦略オフィスも家庭も

» 2012年05月16日 11時53分 公開
[Business Media 誠]

 「働くすべての人にクールビズを」――ユニクロは5月15日、2012年のクールビズへの取り組みを発表した。また、ファッションディレクターの島津由行さんが、ユニクロのアイテムを使ったコーディネートを披露した。

ユニクロ (左)ドライメッシュボーダーポロシャツ 1990円、ヴィンテージノータックチノ 3990円、ヴィンテージベルト 1990円、(中)ドライイージージャケット 5990円、企業コラボTシャツ 1500円、ドライライトデニムレギュラーフィットジーンズ 3990円、(右)ドライデオドラントポロシャツ 1990円、ドライノータックパンツ(コードレーン) 3990円、ストライプストレッチメッシュベルト 1990円

 2011年夏は、クールビズにとって転換点となった。従来、地球温暖化対策の一環として、二酸化炭素排出量の軽減や省エネルギーのための取り組みだったものが、節電や暑さ(熱中症)への対策となり「もはや仕事を快適にするという領域を超えた死活問題になった。なかば『国民の義務』になりつつある」(大苫直樹 取締役)という。

 そこでユニクロでは、クールビズアイテムをオフィスワーカー向けに限定することなく、例えば酪農家、塾講師、八百屋、受付事務、主婦、弁護士、職人など「働くすべての人」を対象にする方針を打ち出した。その一環として、タクシー会社のグリーンキャブと第一交通産業、石川県にある董仙会 恵寿総合病院などへ、ユニクロの商品を制服として導入した。

ユニクロ (左から)第一交通の乗務員 金子さんと社員の滝野さん、グリーンキャブの乗務員 中村さんと社員 赤田さん、恵寿総合病院の事務局 直江さんとソーシャルワーカー 堂前さん

2012年のテーマは「汗」対策

 ユニクロが提案するクールビズ商品の特徴は、機能性、品質、ファッション性の3要素。機能面では従来の「ドライ」(吸汗・速乾)や「イージーケア」(形態安定加工)に加えて、今シーズンでは汗のにおいが気にならなくなる「デオドラント」に注力した。また、ファッション性については、ビジネスシーン向けには機能に特化した約150アイテムを展開する(その中でも定番商品となるドライカノコポロシャツだけで約200色柄を用意)ほか、家庭でも快適さを求める新商品インナー「シルキーステテコ」を投入する。

 「人間が不快だと感じるのは気温が高いことではなくて、汗をかくことでベトつくこと。例えば、東京の32度とハワイの32度で違って感じるのは湿度が異なるから。シルキーステテコのような吸汗・速乾性の高いインナーを履くことで不快感が解消される」(大苫さん)

スタイリストが教えるユニクロ・クールビズ

ユニクロ 島津由行さん

 発表会では、ファッションディレクター/スタイリストの島津さんによるユニクロアイテムを使ったクールビススタイルが披露された。

 「クールビズのクールという言葉には、『涼しい』という意味だけでなく、これまでおざなりにされていた『かっこいい』という意味も含まれている。これからはクールビズという1つのファッションになるはず」という島津さん。ビジネスマンからスーツという社会的な記号を外したときに重要となるのはファッション性だと強調する。

 ビジネスマン向けのスタイリングで使ったのは、ピンクの「ドライデオドラントポロシャツ」(1990円)、ベージュの「ドライスリムフィットカラージーンズ」(3990円)、ダークグレーの「ストライプストレッチメッシュベルト」(1990円)の3商品。特にメッシュベルトはオンオフ共通で使えるアイテムだという。

 IT企業をイメージしたというコーディネートのテーマは「フレンチカジュアル」。ポイントは、ポロシャツやカラージーンズといったカジュアルなアイテムを組み合わせても、だらしなく感じさせないようにきっちりと着ること。具体的にはポロシャツの裾はジーンズに入れる、ジーンズの長さは流行のクロップ丈(くるぶし丈など、通常より短めのもの)ではなくオーソドックスな長さに、靴は革靴を合わせるなどだ。

ユニクロ 男性のコーディネートテーマは「フレンチカジュアル」

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