2人暮しにちょうどいい――1.25Lペットボトルの「爽健美茶」など北海道限定で登場

» 2012年04月09日 13時47分 公開
[Business Media 誠]

 “2人暮しにちょうどいいサイズ”――1.25リットルのペットボトル飲料が4月9日、北海道限定で登場した。「爽健美茶」「綾鷹」「からだ巡茶」「紅茶花伝 マイルドミルクティー」「紅茶花伝 ロイヤルストレートティー」「アクエリアス」「アクエリアス ビタミンガード」の7種類(価格はそれぞれ208円)を展開する。

スマボ 1.25リットルのペットボトル飲料(出典:日本コカ・コーラ)

 仕掛けたのは日本コカ・コーラと北海道コカ・コーラボトリング。現代人のライフスタイルにぴったりだという「スマートボトル(スマボ)」が登場した背景にあるものは何か。

現代人のライフスタイルにぴったりとは?

 高さ253ミリ、幅85ミリ、下から3分の1のところにある特徴的な“くびれ”。ボトル単体での重量約24グラムは、平均的な500ミリリットルペットボトルの重さと同じ。軽量かつコンパクトに設計したボトルに、女性や高齢者の持ちやすさを考えた直径75ミリのくびれを付けた形状は特許出願中だ。

 同社によれば、スマートボトルの1.25リットルという容量は、2人暮しの家庭において開封後、新鮮なうちに飲みきれるちょうどいい量だという。また、冷蔵庫のドアポケットに収まるサイズを意識したほか、角型にしたことで冷蔵庫の棚に横置きもできる。さらに、女性が帰宅途中に購入して持ち歩いても苦にならない重さを狙った。

少子高齢化社会をにらんだ新サイズ

 総務省統計局がまとめた「平成22年国勢調査報告」における「人口等基本集計結果」によれば、国内約5000万世帯のうち、1人世帯が32.4%でもっとも多く、次いで2人世帯が27.2%と、2人以下の世帯が全体の約6割を占める。

スマボ 世帯人員別一般世帯数の推移―全国(平成2年〜22年)(出典:日本コカ・コーラ)

 また、1世帯当たり人員を都道府県別にみると、東京都が2.03人でトップ、次いで北海道(2.21人)、鹿児島県(2.27人)となる。つまり、「少人数世帯の多い北海道エリアは、スマートボトル展開に適した地域であり、今後の全国展開を検討する際の試金石になる」(同社)のだ。

 国内世帯の少人数化傾向は今後ますます進むだろう。コカ・コーラシステムでも同様に捉えており、北海道エリアの実績を基にスマートボトルの将来的な全国導入を検討していくという。

42億円を投資した新ペットボトル製造ライン

 スマートボトルが北海道で先行した理由はもう1つある。2012年3月に北海道コカ・コーラボトリングが約42億円を投資して札幌工場に完成した「新マルチPETライン」の存在だ。最新技術を採用し、北海道民のニーズに即したペットボトルを製造する新ラインは、280ミリリットルの小型サイズから2リットルの大型サイズまで11種類のペットボトルを製造できる。

 これまで北海道エリアでは、中・大型容器を北海道外から購入、運搬していた。地産地消とすることで、輸送時のCO2排出量を削減できるだけでなく、ペットボトルの成形から充填までを一体化することで省エネルギーを促進できるとしている。

スマボ 新マルチPETライン(出典:日本コカ・コーラ)

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