今週末見るべき映画『ルート・アイリッシュ』(2/2 ページ)

» 2012年04月02日 12時06分 公開
[二井康雄,エキサイトイズム]
エキサイトイズム
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Story

 2007年、イギリスのリバプールにある教会。イラク戦争で死んだフランキー(ジョン・ビショップ)の葬儀が行われている。妻のレイチェル(アンドレア・ロウ)、フランキーとは幼なじみで親友だったファーガス(マーク・ウォーマック)が参列している。

エキサイトイズム (C) Sixteen Films Ltd, Why Not Productions S.A., Wild BunchS.A.,France 2 Cinema, Urania Pictures, Les Films du Fleuve,Tornasol Films S.A, Alta Produccion S.L.U.MMX

 フランキーとファーガスは、貧しい家に育つが、小さいときから、世界のあちこちに出かけようと、夢を語りあった仲である。いっしょに、マージー川を行くフェリーに乗り、ワインを飲み、「アフリカ、ブラジル、インド、オーストラリア……」と、世界に思いをめぐらす。やがて2人は、戦争をビジネスとする人材派遣企業を通して、民間兵としてイラクに渡る。ファーガスは、一足先に帰国、フランキーの帰りを待っている。フランキーの亡くなった日、ファーガスのもとに、フランキーからの留守電が入っている。「大事な話だ、電話がほしい」と。その日、フランキーは、イラクでも一番危険な場所、ルート・アイリッシュで襲撃されていた。ファーガスは葬儀の席で、かつてフランキーと遊んだイビサ島での知り合いの女性から、フランキーの残した包みを受け取る。包みにあった携帯電話には、タクシーにいた少年を銃撃する映像が残されている。

 ファーガスは、イラク出身の音楽家ハリム(タリブ・ラスール)に翻訳を頼む。兵士が銃を撃つ。民間の、それもまだ幼い少年を撃ったことに、フランキーが怒っていることが判明する。もともと腕っぷしの強いファーガスが、優しい性格のフランキーを、危険を承知で、大金を得るために、イラク戦争に誘ったのだ。ファーガスは、親友フランキーの死の真相を解明するために、行動を開始する。ファーガスは、後悔しながらも、レイチェルに過酷な戦場の様子を語る。撃たなければなければ、撃たれる、子供でも持っている電話は爆弾だ、などなど。ファーガスも、戦争による深い心の傷を抱えている。事件の真相を探るうちに、証拠となる携帯電話をめぐって、レイチェルの身に危険が及ぶ。捜査に協力するハリムもまた、暴行を受ける。やがて、フランキーの死の真相が明らかになるのだが……。

3/31(土)、銀座テアトルシネマでロードショー。以降、全国順次公開

配給:ロングライド


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