英国空軍パイロットが開発に参加したG-SHOCK「GW-A1000」バーゼル2012レポート カシオ計算機(2)(1/2 ページ)

» 2012年03月12日 01時12分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

 カシオ計算機(以下、カシオ)はバーゼルワールド2012で、同社の独自技術「Smart Access」を搭載した新モデル2機種を発表した。これまでSmart Accessは、同社のプレミアムライン「OCEANUS」を皮切りに、スポーツクロノグラフ「EDIFICE」、そしてアウトドアウオッチ「PROTREK」に順次採用されてきた(参照記事)。そして今回のバーゼルでは、初めてG-SHOCKのSmart Access搭載モデルが披露された。これで、男性向けの主力4ブランドすべてでSmart Access搭載モデルが登場したことになる。

Smart Access搭載G-SHOCKがバーゼルで登場

 数あるG-SHOCKの製品ラインアップの中で、Smart Access搭載モデル第一弾となったのは、パイロットウオッチの「SKY COCKPIT」シリーズ。G-SHOCKではおなじみの「耐衝撃性」に、フライト中に掛かる急激なGと振動に耐えられるよう「耐遠心重力」「耐振動」を加えた「TRIPLE G RESIST」機能を搭載する(参照記事)。今回はこれに、Smart Accessを搭載してさらに機能性と操作性を高めたモデル「GW-A1000」が新たに加わった。

G-SHOCK初のSmart Access搭載モデル「GW-A1000」

 新たにSmart Access特有のインタフェースであるリューズスイッチが追加されたことによって、従来のボタンのみの操作に比べてワールドタイムの設定やストップウオッチ操作、温度の計測・表示などが直感的に行えるようになるという。また、OCEANUSやEDIFICEなどではねじ込み式になっていたリューズスイッチは、GW-A1000ではロック式になっている。これは、実際にパイロットがフライト中に操作する際の操作性を重視した結果だという。

GW-A1000をはじめG-SHOCK「SKYCOCKPITシリーズ」では、実際にパイロットが操作する際の操作性を重視した開発が行われている

英国空軍からのフィードバックを受けて開発

 なおGW-A1000には、「ロイヤル・エアフォース(英国空軍)モデル」という限定モデルが存在する。このモデルは、実際に英国空軍のパイロットから1年以上にわたり要望をヒアリングし、その内容を製品開発に反映させたものだという。バーゼルワールドでは、実際にこの開発プロセスに参画した英国空軍のエースパイロット、ネイサン・ジョーンズさんがインタビューに応えてくれた。

「ロイヤル・エアフォースモデルの出来には大満足」と話すジョーンズさん

「英国空軍では、以前から各パイロットが個人的にG-SHOCKを使っていることが多かった。とにかく頑丈だし、電波時計でパイロット同士で時計の時間合わせを秒単位で簡単かつ正確に行えるので、大変助かっている。私自身も普段、GW-3500(参照記事)を装着してミッションに臨んでいる」(ジョーンズさん)

 ちなみに、今回のロイヤル・エアフォースモデルの開発に当たって英国空軍からカシオに対して出された要望は、多岐に渡ったという。

「ズールタイム(UTC)の表示機能や、カウントアップとカウントダウン両方に対応したストップウオッチ機能、文字板や針の蓄光の微妙な効き具合まで、実に細かい点まで要望を聞いてもらった」(ジョーンズさん)

 ちなみに全体の色合いは、実際の戦闘時に敵に発見されにくいよう「ステルス・グレー」という独自のグレー色に塗られている。また、バンドのキーパーにはカーボンファイバーを織り込んで強度を高めた上で、英国空軍パイロットの証である紋章が刻まれている。

「まだこのモデルは完成品にまでは至っていないが、われわれの要望を幅広く取り入れてもらっているので、今から実際に使うのが楽しみだ。カシオは優れた技術力を持っているので、将来的には戦闘機を自動操縦してくれる機能まで搭載してくれるといいね! もちろん、冗談だよ(笑)」(ジョーンズさん)

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