世界最大の時計の祭典「バーゼルワールド2012」が開幕イベントレポート

» 2012年03月08日 22時00分 公開
[吉村哲樹,Business Media 誠]

 2012年3月8日から15日までの8日間、スイスのバーゼルで世界最大の時計・宝飾品の国際見本市「バーゼルワールド2012」が開催される。世界中から約2100もの出展社が集まり、ここぞとばかりに自慢の新製品や限定品をこぞってお披露目する年に一度の大イベントだ。特に腕時計ファンにとっては、各メーカーが毎年のバーゼルワールドでお披露目する新モデルや、バーゼルワールドでしかお目に掛かれない限定モデル、いわゆる「バーゼルモデル」は常に注目の的だ。

 今年も誠 Styleでは、バーゼルから最新の情報をお届けする。まずは一般公開に先駆けて3月7日に行われたプレスデイ(報道関係者向けの限定公開日)の模様を簡単に紹介しよう。

会場正面に掲げられた看板。6つのホールを使って、広大な展示スペースが設けられている

高級時計メーカーが集結するバーゼルの顔、ホール1

 見本市や展示会というと、出展社ごとに展示スペースをパーティションで区切った「ブース」が並ぶイメージがあるが、バーゼルはこれとはまったくスケールが異なる。高級時計メーカーの展示スペースが軒並み集結するホール1の様子は、下の写真を見てもらえば分かるとおり、もはやブースというよりは「店舗」だ。

ホール1内部のようす
まるで店舗のような巨大ブースが並ぶさまは、展示会というよりはむしろショッピングモールだ

 高級腕時計メーカーの巨大ブースの間を縫って歩いていると、見本市に来たというよりは、まるでニューヨーク五番街でウィンドウショッピングをしているかのような錯覚に陥いる。パテック・フィリップ、ロレックス、オメガといったスイスの各高級メーカーの店舗(のようなブース)がずらりと居並ぶさまは、やはり圧巻だ。ちなみに日本からも、セイコーウオッチとシチズン時計が同じホール1に出展している。

 各ブースの作りも、まさにリアル店舗と一緒だ。ブースの中に入らずとも、外からウィンドウ越しに商品を眺めることができるようになっている。普段はめったにお目に掛かることができないきらびやかな高級時計を次から次へと眺めているうちに、だんだん現実から遠ざかっていく気分になる。もちろん、展示品に値段表示など付いていない。こんな場で価格を聞くなど、野暮ということなのだろう。

きらびやかなロレックス・デイトナがずらりと並ぶ様は圧巻の一言

 しかし、バーゼルワールドは製品のお披露目の場としてだけではなく、メーカーにとっては極めて重要な商談の場でもある。開催期間中、各メーカーは世界中から集まったバイヤーとシビアな商談を繰り広げる。豪華絢爛なブースは、バイヤーを歓待する商談スペースとしての役割も担っているのだ。

 ちなみに、屋外に専用の展示スペースを設置しているメーカーもある。ルイ・ヴィトンや、日本から出展しているカシオ計算機などがそうだ。天井から直接外光を取り込む作りになっている屋外ホールは、薄暗い屋内ホールとはまったく異なる開放的な雰囲気に溢れている。ちなみにプレスデイには、ここで歓迎レセプションが開かれていた。

明るくて開放的な雰囲気の屋外ホール

 これから3月15日までの開催期間中、バーゼルでしかお目に掛かることができない注目のモデルの話題を中心に、誠 Styleでは何度かに分けてバーゼルワールドのレポートをしていきたい。

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