A.ランゲ&ゾーネ、「ランゲ1 トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー」SIHH2012

» 2012年02月28日 12時04分 公開
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 2012年1月16日から20日にかけてスイス・ジュネーブで開催されたSIHH(ジュネーブサロン)で、A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)は、「ランゲ1 トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー」を発表しました。

 ブランドを象徴する「ランゲ1」のデザインに、2種類の伝統的複雑機構を融合したモデルです。カレンダー表示を時刻表示のまわりに配置したことで、多くの情報を一目で読み取ることができます。

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 ランゲ1の特徴となっているオフセンターデザインのダイヤルには、永久カレンダー機能を組み込むための最適な条件がそろっています。時刻を表示するメインダイヤルの外側に十分なスペースがあり、時刻表示の視認性を一切損なうことなく、カレンダーの各表示をレイアウトすることができるからです。

 一見した印象ではモデル名ともなっている2つの複雑機能が搭載されているとはとても想像できないでしょう。唯一、ローマ数字のXIIの下に刻まれているさりげない文字が特許技術のストップセコンド機能を備えたトゥールビヨンの存在を示しています。しかしそれを除けば、バランスの良い整然としたダイヤルで、この開発の陰に隠された膨大な作業と高度な技術を物語るものは見当たりません。

 しかし、ランゲ1シリーズで10作目という記念碑的なマスターピースとして完成したこのモデルには、まったく新たなメカニズムがいくつも盛り込まれています。

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 ランゲ1の文字盤アーキテクチャにカレンダー機能を組み込むために必要な条件を整えるため、A.ランゲ&ゾーネの開発者たちは、腕時計では初めて、ダイヤル外縁を回転するリングを使って月の表示を行う方式を採用しました。このリングの裏側には、それぞれの月の日数を表す凹みが刻まれており、その凹みをトレースするメカニズムが装備されています。これは、これまでに例のないまったく新種の設計で、現在特許出願中の技術です。

 永久カレンダーの表示(アウトサイズデイト、レトログラード式曜日表示、月リング、うるう年表示、ムーンフェイズ表示)はすべて、ジャンプするように一段ずつ先に進む方式なので、表示内容が常に明確です。このメカニズムは、次回うるう年が省略される2100年の3月1日になるまでは、修正する必要のない設計になっています。

 ムーンフェイズ表示においては、1日修正が必要となるのは122年に一度という精度の高さです。各種の補正を行う必要が生じたときも、埋め込み式プレッシャーを使って各表示を個別に進めることもできれば、全表示を同時に修正することも可能です。

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 ランゲ1 トゥールビヨン パーペチュアルカレンダーでは、ダイヤルに配置された各表示の視認性を妨げるものは一切排除するという方針が貫かれています。トゥールビヨンを見ることのできる窓がついていないのは、いうなればこのような徹底主義の証です。時計を裏返してサファイアクリスタルのシースルーバックをのぞくと、トゥールビヨンの高度な複雑機構がその全貌を現します。トゥールビヨンでは、精緻な回転キャリッジが1分間に1回転することにより、重力が偏心錘つきテンプに与える影響を補正します。

 さらに、自社製ヒゲゼンマイを採用することで、最高の精度を保証しています。テンプとヒゲゼンマイは、相互の相性を完璧に合わせてあり、毎時2万1600振動で動くムーブメントの歩度を最適に保ちます。特許技術のストップセコンド機構では、リューズを引き出すことにより、トゥールビヨンのキャリッジ内にあるテンプをいつでも瞬時に停止させることが可能で、時計の時刻を秒単位で正確に合わせることができます。

 ずっしりとしたセンターローターが、新開発の自動巻きキャリバーL082.1を効率的に巻き上げ、A.ランゲ&ゾーネという銘が刻まれたローターの中央部分には21Kゴールドが使用されています。ローターの外側にあるプラチナ製の分銅は、ゴールドよりも密度の大きなプラチナを使用することで、ローターの回転に勢いをつけるためのものです。こうすることで、ほんのわずかの手首の動きでも、すべてが巻き上げエネルギーに変換されます。その結果、短い時間時計を装着していただけでも50時間のパワーリザーブが完全に蓄積されるようになっています。

 ムーブメントに備えられた要素には、A.ランゲ&ゾーネならではの手作業で念入りに装飾を施した各種部品や、ハンドエングレービング入りのトゥールビヨンおよび中間車の受け、熱処理により青く染められたブルースクリューを使って固定された4個のビス止め式ゴールドシャトンなどがあります。

 トゥールビヨンのキャリッジ上部の仕上げには、最も難易度が高く時間のかかる特殊な技法が駆使されています。ブラックポリッシュと呼ばれるその技法で装飾を施すには、これほど小さい部品でも、その複雑な形状のため、最大でも5日間の作業工程が必要になります。このようにA.ランゲ&ゾーネの伝統を進化させた時計技法に、トゥールビヨンの軸受に使われている美しいダイヤモンド製受け石が花を添えます。これは、かつて“1A”と呼ばれた最高級懐中時計にも使用されていたものです。

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 これまでのランゲ1シリーズで最も複雑なこのモデルは、ケース直径が41.9ミリ。プラチナモデルとピンクゴールドモデルがあります。プラチナモデルは世界限定100本で、希少価値が一層高いものです。

ランゲ1 トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー プラチナモデル

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  • Ref.720.025
  • 限定数:100本
  • 価格:2958万9000円
  • 発売:2012年11月以降
  • 直径:41.9ミリ
  • 厚さ:12.2ミリ
  • ケース素材:プラチナ
  • ハンド素材:ゴールド ロディウム仕上げ
  • ダイヤル:シルバー無垢 ロディウム
  • ガラス素材:サファイアクリスタル製の風防ガラスおよびシースルーバック

ランゲ1 トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー 18Kピンクゴールドモデル

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  • Ref.720.032
  • 価格:未定
  • 発売:2013年以降
  • 直径:41.9ミリ
  • 厚さ:12.2ミリ
  • ケース素材:ピンクゴールド
  • ダイヤル:シルバー無垢 シルバー
  • ハンド素材:ピンクゴールド
  • ガラス素材:サファイアクリスタル製の風防ガラスおよびシースルーバック

お問い合わせ:

A.ランゲ&ゾーネ

TEL:03-3288-6639

URL:http://www.alange-soehne.com/


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